株式会社ダイイチ(以下、ダイイチ) 販売本部 帯広ブロック長 兼 営業企画課(全社統括) 部長 浅野 貴彦氏(写真左)および営業企画課 営業企画係 兼 販促係(帯広ブロック担当)主任 吉川 優香氏(写真右)に、当社のキャッシュレスサービスを導入した経緯と効果について、くわしく伺いました。
1958年(昭和33年)7月に北海道・帯広市で開業し、地域に密着したスーパーマーケットとして現在、帯広、旭川、札幌エリアで計23店舗を展開。新鮮かつ安全、安心な商品の提供に努めるとともに、従業員教育の推進によるサービスレベルと接客力の向上などにより、顧客の創造と店舗の営業力強化に取り組んでいる。
本社所在地 |
北海道帯広市西20条南1丁目14番47 |
創立 | 1958年 |
代表者 | 代表取締役社長 鈴木達雄 |
資本金 | 16億3,900万円 |
従業員数 | 274名(正社員) (2016年9月時点) |
事業内容 | 食料品主体のスーパーマーケット及び、不動産賃貸業務等 |
当社では、帯広、旭川、札幌エリアで展開しているダイイチ各店舗でご利用いただける電子マネーカードとして『フレカプラスカード』、65歳以上の方を対象に『シニアフレカプラスカード』を発行しています。その電子マネーシステムとして貴社のキャッシュレスサービスを利用しています。
『フレカプラスカード』『シニアフレカプラスカード』は、当社が展開するダイイチ各店舗でご利用いただける電子マネーカードです。電子マネー、現金決済にかかわらず、300円(税抜き)のお買い上げごとに1ポイントを付与し、500ポイントで500円分のギフト券と交換できるサービスとなっています。
現在、先行して導入していたポイントカードと電子マネー機能を持つ『フレカプラスカード』、『シニアフレカプラスカード』とを並行して運用していますが、来年(2018年)1月にはポイントカードの利用を終了し、電子マネー機能付きポイントカードとして『フレカプラスカード』に統合していく予定です。
貴社のキャッシュレスサービスを導入して1年が経ちますが、カード発行枚数は月を追うごとに伸びており、発行枚数に対する稼働率は71%程度となっています。より多くのお客様に便利とお得を提供したいという想いから、さまざまなキャンペーンも実施しています。
入会金・年会費 | 無料 |
発行手数料 |
100円(税込み) |
ポイント加算 | 電子マネー、現金決済にかかわらず、お買い上げ300円(税抜き)ごとに1ポイント付与 |
ポイント利用 |
500ポイントで500円分のギフト券を進呈。 ギフト券は精算時に利用、またはカタログ商品との交換が可能 |
有効期間 | 最終利用日より3年間 |
対象店舗 | ダイイチが展開する各店舗 |
URL | http://www.daiichi-d.co.jp/ |
電子マネーの利用を促すためのキャンペーンとしては、2つのキャンペーンを設けています。
1)チャージデー(対象:全店)
毎月5の付く日、一回5,000円チャージごとにボーナス電子マネー50円を進呈。
2)5%OFF(対象:帯広、札幌エリア)
『フレカプラスカード』で全額電子マネーでのお支払いで5%OFF。(不定期開催)
キャンペーンの告知手段として、店舗におけるキャンペーンポスターの掲示に加え、当社のWEBサイトにもカレンダー形式で情報を掲載しています。
以前、ポイントシステムを導入する際に検討しました。しかしながら、大きな投資が必要であること、また当時は我々だけでなく、お客様にとっても時期尚早ではないかという声が役員の間にもあり、見送ることになりました。
2015年2月より、当社は、セブン&アイ・ホールディングスの加盟店で利用できる共通電子マネー「nanaco」にも対応していますが、ハウス型の電子マネーサービスとしては、今回が初めての導入となります。
昨今の電子マネーの普及を受け、全国のスーパーでも電子マネーを導入する企業が増えてきました。お客様へのサービス向上を追求する中で、我々と同じくスーパーを展開する企業から、電子マネーについての話を聞く機会があり、改めて電子マネーの効果を実感し、導入へ向けて動き出しました。ただ、すでにポイントカードサービスを提供していたため、それと共存できる電子マネーシステムを求めていました。
機能やシステム面はもちろんのこと、アララがすでに多くのスーパーで実績をあげていたこと、そしてサポート体制が充実していたことから採用しました。主な採用ポイントは、次の通りです。
約1か月検討した後、導入すると決めてからリリースまでは実質4か月ほどかかりました。お客様への提供開始は2016年8月からと決めていましたので、それまでに提供を開始できることが条件でした。当時は北海道内に22店舗を構えており、店舗によっては設置しているPOSシステムも異なります。こういった状況下でも、スケジュール通り対応できるという点を評価しました。
前述のとおり、店舗により利用しているPOSシステムが異なったため、それぞれのPOSベンダーとの連携実績があるという点は判断材料となりました。
既存のポイントシステムを活かして導入できる電子マネーシステムを探しており、POSのバージョンアップさえ行えば共存が可能であった点を評価しました。
お客様の中には、導入当初電子マネーの取り扱いに戸惑う方もいらっしゃいましたが、一度利用すると、その利便性を実感されて継続して使ってくださいます。劇的ではありませんが、徐々に効果が見え始めており、「簡単に精算できるようになった」とお客様から嬉しいお声も聞こえてきます。具体的には、次のような効果を感じています。
お客様のロイヤリティアップにともなう売り上げ貢献という狙いに対しては、徐々に成果が出ていると捉えています。前述のチャージデーも着実にチャージが伸びてきており、カード会員様向けキャンペーンによる再来店の促進に手ごたえを感じています。
特にタイムセールや繁忙期に実感しましたが、レジ精算スピードがアップしました。高齢の方だとお金の出し入れに30秒くらいかかる場合もあり、後ろに並ぶお客様をお待たせせざるを得ない状況でした。
カード導入後は、カードを読み込むだけで精算できるので、大幅な時間短縮につながっています。現金やクレジットカードでの決済よりスピーディーであることを訴求するポップなども活用しています。
また、今後、カード利用が拡大すれば、レジを2人制から1人制にすることができるので、人員不足の軽減や人件費の削減にもつながるとみています。
共通型の電子マネーサービスと違い、ご利用の前にチャージいただくことで、将来的な売り上げの確保につながる点もメリットだと考えています。さらに、キャッシュレス率が高まることで、つり銭準備金の用意も少なくなりました。
まだご利用いただいていないお客様に向けご案内をし、カード発行枚数を増やしていきたいと思います。そして、カードでの決済率を高めることで、レジ精算時をよりスムーズにしていければと考えています。
当社のお客様は、ポイントにメリットを感じている方が多い傾向が見られますので、既存のポイントカードと電子マネーとを融合させた販促施策を実現するために、システムの改善を図っていただきたいと思います。 また、多くの実績をお持ちなので、他社での成功事例をはじめ運用面におけるアドバイスなどにも大いに期待しています。
※ ダイイチのホームページ
※本文に記載の数字は、取材をおこなった2017年10月時点のものです(「アララ キャッシュレス(旧:point+plus)」を導入)
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