LTVの向上・改善のためにやるべき5つのこととは?事例や方法をご紹介
「LTV」とは、「ライフタイムバリュー」の略で「顧客生涯価値」と言われるマーケティング用語です。LTVの向上・改善でどのような効果やメリットがあるのか、また、LTVを向上させるための5つの方法をご紹介します。
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LTV(ライフタイムバリュー)とは?
LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)とは、1人の顧客が1つの企業と取引を始めてから生涯にわたって取引・購入した合計金額のことです。同じような商品やサービスが市場に飽和している昨今、新規顧客を獲得していくことは決して容易なことではありません。企業は、新規顧客を獲得できるよう働きかけながら、すでに得た顧客に自社商品やサービスを長く利用し続けてもらえるように努力しなければならないのです。
LTVは、次の計算式で算出します。
LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間
例えば、平均購買単価が4,000円の顧客が、年に2回の購入を3年間続けた場合、LTVは4,000円×2回×3年=24,000円になります。
また、算出方法にはいくつかの方法があり、以下の計算式を使う場合もあります。
LTV=平均購買単価×収益率×継続購買期間
さらに、これから新規顧客獲得コストなどを引いて、次の計算式で算出する場合もあります。
LTV=(平均購買単価×購買頻度×継続購買期間)―(新規顧客獲得コスト + 既存顧客維持コスト)
LTV向上・改善によりもたらされる効果
企業が新規顧客を獲得するためには、大きなコストがかかります。しかし、1人の顧客を獲得できたとしても、継続的に自社商品の購入やサービスの利用がなされなければ、得られる利益は少なくなってしまいます。
一方、1人の顧客を獲得したのち、その顧客が生涯にわたって継続的に企業と取引を続ければ、大きな利益がもたらされます。そのため、LTVを向上させることが企業のマーケティング活動にとって大変重要となります。
また、既存顧客を維持するためにかかるコストは、新規顧客獲得コストのおよそ5分の1程度と言われています。LTVの向上・改善を行い、既存顧客に継続的な利用を促すことが企業の利益向上につながるのです。
LTVを向上させるための5つのポイント
LTVを向上させるためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。ここでは5つのポイントを解説します。
購入頻度を増加させる
これまでは「6ヵ月に1度」商品を買っていた顧客の購入頻度を、「3ヵ月に1度」や「2ヵ月に1度」という具合に上げていけば利益も向上します。購入頻度を上げるために、消耗品や健康食品、化粧品などでは、都度購入するより割安の価格を設定して定期的に商品を購入してもらう、定期購入システムを取り入れているケースも多くみられます。
また、ポイントシステムの導入や誕生日クーポンの発行、会員向けの割引制度などを設定することで、顧客の利用率を上げていくこともできるでしょう。
購入単価を上昇させる
顧客に1回あたりの購入価格を上げてもらうことができれば、企業の利益も上がります。購入単価を上げるためには、商品のバリエーションを増やすことが対策のひとつと言われています。「松・竹・梅」と価格が異なる3つの商品ラインナップがある場合、中間の価格である「竹」の商品がよく売れるという「松竹梅の法則」を聞いたことがある方も多いでしょう。「松竹梅の法則」を用いて、高価格帯の商品と低価格帯の商品を用意することで、中間にある手ごろな価格の商品の売上が上がる可能性があります。
また、人気商品とその他商品を組み合わせたセット販売や、2個セットでお得になる複数販売を行うことも有効とされています。
購入期間を伸ばす
顧客との取引を継続させることは、LTVの向上に欠かせません。そこで大切なのは、一度商品を購入した顧客を優良顧客へ育成していくことです。そのための対策として最も身近なものに、顧客にメールマガジンやLINEの登録を促し、定期的に情報を配信する方法があります。商品の売り込みだけではなく、その商品に関する有益な情報を継続的に配信することで、顧客にその店やブランドを好きになってもらうことが大切です。
また近年では、Instagramなどに代表されるSNSを利用したマーケティングやブランディングも活発に行われています。顧客に「この店(ブランド)がお気に入り」と思ってもらえるよう、商品紹介のみならず、独自の世界観やポリシーを見せていくことも必要になるでしょう。
収益率を向上させる
顧客の購入単価が上がっても、原価が高ければ利益は少なくなります。利益を最大化するためには、原価を抑えて収益率を高めることが大切です。そのためには、仕入れ先や仕入れの頻度を見直して価格交渉を行うなどの対策が考えられます。
また、自社の経費を抑えるために人員体制や作業工程の見直しを行い、ムダがないか確認することも重要です。新たなITシステムやツールを導入することで、人件費を削減できることもあるでしょう。他にも、光熱費やリース料金なども定期的に見直す必要があります。
新規顧客の獲得、既存顧客の維持コストの削減
新規顧客の獲得と既存顧客の維持にかかるコストを見直すことも必要です。最新のマーケティングツールやシステムを導入することで、これまでに蓄積したデータを効率的に分析して、コストを抑えた戦略を立てられる可能性があります。そのようなシステムやツールを活用することで人的コストの削減ができるため、大切なリソースを有効に活用できるようになるでしょう。
LTVを向上させる目的・メリットとは?
LTVの向上は、企業利益の安定的な向上につながります。企業の成長を長期的な視点で見た場合、継続的な売上見込みは安定経営の基盤となるでしょう。
また、LTVの向上は、リピート顧客が増加した証とも言えます。継続的に利用してくれる優良顧客は、企業のコアなファンとして、経営を支えてくれます。
さらに、LTVが向上することで新規顧客獲得のコストを抑えられるため、企業全体のコスト削減にもつながるでしょう。
LTV向上における気を付けるべきポイント
LTVの向上は、企業にとって最も大切なことです。しかしその前に、顧客が本当に自社商品やサービスに満足しているかどうかを改めて確認してみましょう。
現状の顧客満足度を把握しないままLTVを向上させようとしても、うまくいきません。まずは、「いい商品づくり」や「顧客に喜んでもらえるサービス」に今一度真摯に向き合うことが、LTVの向上の第一歩となります。
まとめ:顧客に価値を提供してLTVの向上を目指そう
商品そのものの価値はもちろん、それを買う行為にどのような価値があるのかを、顧客は常に見極めています。「この店を利用すると楽しい気分になれる」「いつも期待以上の満足感を得られる」など、顧客にプラスアルファの価値を提供することが、LTVの向上につながると考えられます。
顧客にとってのプラスアルファの価値とは、例えば、ポイントサービスや来店頻度に応じたランク制度、店舗独自のキャンペーンなどです。これらはキャッシュレスサービスを導入することで実現できます。
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