顧客囲い込み戦略の基本とは?スーパーマーケットにおける考え方
スーパーマーケットは毎日の食事や食材の調達に欠かせない存在です。しかし、同業他社の進出やコンビニ、ドラッグストアなど他業種、ネットスーパーが競合になることもあり、売り上げが伸び悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、効果的に顧客を獲得するために知っておきたい、スーパーマーケットにおけるマーケティングの基本をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.スーパーマーケットにおけるマーケティングの基本とは?
- 1.1.ターゲット層を設定する
- 1.2.市場を細分化する
- 1.3.競合店に対する優位性を具体的に設定する
- 1.4.コンビニ、ドラッグストアも競合店として考慮
- 1.5.消費者がスーパーマーケットを選ぶポイントを理解する
- 2.4P戦略を活用した効果的なマーケティング方法とは?
- 2.1.Product(製品)戦略
- 2.2.Price(価格)戦略
- 2.3.Place(流通)戦略
- 2.4.Promotion(プロモーション)戦略
- 3.競合店との優位性をさらに高める施策とは?
- 3.1.キャッシュレス決済の導入
- 3.2.アプリを活用したクーポン配布
- 4.まとめ
スーパーマーケットにおけるマーケティングの基本とは?
スーパーマーケットにおけるマーケティングのゴールは、顧客のニーズに応える商品やサービスの提供による提供価値と売り上げのアップです。
スーパーマーケットのマーケティングにおいては、以下のポイントを押さえておきましょう。
ターゲット層を設定する
同じニーズを持つ顧客層を複数のグループに分けて、ターゲット層を設定しましょう。ターゲット層を絞りこむことで「誰にどのように売りたいか」という方向性が明確になり、強みとなる要素を見つけやすくなります。
例えば、他のスーパーマーケットが目指していないニッチな市場をターゲットにすることで、競合店が減るとともに自店舗の強みにもつながっていくでしょう。
市場を細分化する
市場の細分化とは、市場を一定の基準ごとに細分化し、提供する商品やサービスに適合するグループに分けることです。スーパーマーケットのマーケティングにおいては、顧客の居住エリアや年齢層、職業、購買パターン、趣味嗜好などで分類します。
例えば、居住エリアで考えた場合、顧客の居住地をどの範囲までマーケティング対象として設定するのかを決めます。市場を細分化し、呼び込みたい顧客層を絞り込みましょう。
競合店に対する優位性を具体的に設定する
マーケティングでは、市場における優位性を明確にすることが重要です。競合店と比較して自店舗が持つ強みや、顧客が競合店と比較して自店舗を選ぶ要素など、できるだけ具体的に競合に対する優位性を打ち出していきましょう。
自店舗の優位性があやふやな状態では、マーケティングの方向性も定まりません。「自宅から近い」「品揃えが良い」など、顧客がスーパーを選択する理由を踏まえ、競合に対してどのような優位性を持つことで市場での競争力が増すのか、顧客視点で分析する必要があります。
コンビニ、ドラッグストアも競合店として考慮
スーパーマーケットの競合店に該当するのは、同業他社だけではありません。同じように食料品を取り扱っているコンビニやドラッグストアも競合店として捉えるべきです。
したがって、競合店の分析をする際には、コンビニやドラッグストアとの比較も実施するとよいでしょう。
消費者がスーパーマーケットを選ぶポイントを理解する
顧客の多くは「少しでもお得に買い物ができる店」を探す傾向があるという点を理解しておく必要があります。「自宅から近い」「品揃えが良い」なども、どの店舗へ行くかの判断基準となります。
また、最近はコンビニやドラッグストアだけでなく、WEB上でスーパーマーケットと同様の買い物ができるネットスーパーも普及しており、より利便性も求められる傾向にあるようです。
4P戦略を活用した効果的なマーケティング方法とは?
「4P」とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(プロモーション)」「Place(流通)」の頭文字をとったマーケティング用語で、売り手側の視点で実施するマーケティング戦略に用いるフレームワークのひとつです。それぞれの要素について、解説します。
Product(製品)戦略
製品戦略とは簡単に説明すると、顧客に「何を売るのか」「どのような価値を提供するのか」について決めることです。 「顧客がどのようなものを必要としているのか」「顧客にとって価値があるものかどうか」といったニーズを分析します。
売り手が売りたいものではなく、あくまでも顧客が必要だと考える商品を提供することが大切です。
Price(価格)戦略
販売する商品やサービスが決まったら、次は価格を設定する価格戦略の検討です。 商品の価格設定は、利益に直接つながる重要なポイントだといえます。
ただし、利益を上げるために価格だけを吊り上げても、顧客の購買行動にはつながりません。 価格設定を行う際には、販売数と仕入れ値も考慮したうえで、顧客の購買行動につながりやすい価格を見つけることがポイントです。また、競合店の価格設定もチェックしつつ、市場価格とのバランスにも注意しましょう。
Place(流通)戦略
どれほど手頃な価格で良い商品でも、売り場に陳列されていなければ顧客の手に渡ることはありません。
そこで、商品を効率的に顧客へ届けるために、商品の販売場所を検討する流通戦略が必要になるのです。 顧客の目が届きにくい場所に商品が陳列されている場合は、購入に繋がりづらくなります。スーパーマーケットにおける流通戦略では、顧客の「買いやすさ」「見つけやすさ」を考慮し、どのような場所に陳列するかが重要です。
また、コンビニやドラッグストア、ネットスーパーといった競合店が増えている中で、スーパーマーケットならではの優位性を出すこともポイントとなるでしょう。
Promotion(プロモーション)戦略
プロモーション戦略は、顧客に商品の存在を知ってもらう施策を検討するために行います。 スーパーマーケットの場合は、一般的に、特売価格やタイムセールといった目玉商品をまず前面に出し、その他の利益につながりやすい商品への導線を作るプロモーション施策などです。
チラシや広告などで目玉商品を打ち出し、その他の商品への購買行動へつなげましょう。
競合店との優位性をさらに高める施策とは?
スーパーマーケットを利用する顧客は、「良いものをより安く便利に購入したい」と考えることが一般的です。近くのスーパーよりも遠くのスーパーのほうが値段が安い場合は、遠くまでわざわざ買い物へ行く人がいるように、自宅から近いだけでは優位性が出せない場合があります。
そこで、競合店との優位性を高める施策を2つ紹介します。
キャッシュレス決済の導入
コロナ禍で現金のやり取りを控える人が増えつつある中、近年幅広く普及しているキャッシュレス決済は、顧客をつなぎとめる要素の1つになりつつあります。キャッシュレス決済を利用したときの割引サービスや、利用額に応じたポイントサービスなどの点から、キャッシュレス決済に対応したスーパーマーケットは、顧客にとってお得感が高いといえるでしょう。
「Value Card」「アララ キャッシュレス」は、自店舗のみで利用できる電子マネー機能に加え、ポイント機能や会員管理機能を備えたキャッシュレスソリューションです。使えば使うほど顧客がお得になることはもちろん、導入店舗さま側で顧客管理やキャンペーンも行えるため、競合店への優位性を高められるでしょう。
アプリを活用したクーポン配布
割引クーポンが利用できる専用アプリの導入も、競合店への優位性を高める有効な施策のひとつです。 アプリからのチラシ閲覧を可能にすることで、特売情報や店舗情報などの訴求も効果的に実施できます。
また、ポイントカードや電子マネーとアプリを一体化すれば、顧客の来店情報の収集も可能なため、新たな販売施策などにつなげられる点も特長です。
まとめ
スーパーマーケットでのマーケティングでは、顧客ニーズの分析や市場優位性を高めることが求められます。
4P戦略を活用したマーケティングに加え、キャッシュレス決済やアプリ導入などの施策を活用し、競合店との差別化を実現して収益拡大へつなげましょう。