飲食店におけるキャッシュフローと改善方法について解説
飲食店を経営していくうえで、キャッシュフローや資金繰りについて正しい知識を身に着けておくことは重要です。資金繰りが悪化するとどうなるのか、悪化させないためにどのような点に注意すべきなのかを解説します。これから飲食店を開業する方や、資金繰りに悩む事業者の方に役立つ内容です。
目次[非表示]
キャッシュフローとは
キャッシュフローとは、いくらお金を使用し、いくらお金が入ってきているのかを示す「お金の流れ」のことです。会計上の数字ではなく、実際にどれだけの現金(キャッシュ)があるかを把握する役割があります。
一方で資金繰りとは、将来に向けてあらかじめ資金増減を予測し、調整することです。飲食店の資金繰りにおいては、キャッシュフローを把握することが重要な要素だといわれています。
キャッシュフローを把握し、今後の資金繰りを行うことで、経営改善に役立てることが可能です。
飲食店におけるキャッシュフローや資金繰りの重要性
飲食店は、利益があったとしても手元に現金がなければ、給料が支払えなくなったり、仕入れができなかったりする可能性があるため、キャッシュフローを把握することが重要です。
例えば、銀行からの借入があれば毎月いくら返済のために引き落とされるのか、といった定期的な支払いや、火事や地震などが起これば一定期間営業ができず売上が立たない(現金が入ってこない)こともあります。そのため、毎月どの程度の現金が出入りしているのかを把握をし、営業できない期間が生じてもまかなえる資金を確保しておく必要があります。
キャッシュフローを把握せず、資金繰りが悪化すると「黒字倒産」に陥ってしまう可能性が高まります。「黒字倒産」とは、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず、手元に資金がなく、仕入れや家賃などの支払いができずに倒産することです。ここからも分かるように、キャッシュフローを把握することはビジネスを行う上で欠かせません。
また、キャッシュフローがよければ、金融機関から融資を受けやすくなるのもポイントです。キャッシュフローを改善し、資金繰りの見通しを明らかにすることが店舗の運営において重要です。
飲食店が資金繰りで困らないためには
飲食店が資金繰りで困らないようにするためには、いくつかポイントがあります。それぞれについて解説します。
- 現状を把握するために資金繰り表を作る
- 経費を削減する
- 余裕を持った資金を用意する
- 売掛販売に注意する
- ファクタリングを利用して債権を売却する
現状を把握するために資金繰り表を作る
資金繰り表とは、事業における現金の収支を記録し、月の収支や預金残高を可視化することで、資金不足に陥らないようにするための管理表です。
資金繰り表の作成には、月ごとの経営状況や財務状況を把握できる月次試算表や事業用のお金の流れが分かる預金通帳、事業の毎月の返済額や元金、利息の内訳が分かる借入金返済明細書といった収支が把握できるものが必要です。
資金繰り表のフォーマットや記入内容は決まりがあるわけではないため、まずはエクセルなどで簡単にお金の流れを記入してみましょう。大切なのは、毎月の借入返済額、仕入れ、売上、人件費など出ていくお金と入ってくるお金の流れを可視化させることです。
さらに入金や出金についても現金か否かや、振り込みのタイミングなども把握しておくことで、現金がないといった事態にも早めに対処することが可能になります。
項目に数値を入力するだけで簡単に作成できるエクセルのフォーマットを紹介するので、興味がある方は以下よりダウンロードしてみてください。
フォーマットのダウンロードはこちら(「資金調達ナビ」のサイトへ遷移します)
経費を削減する
毎月かかる無駄な経費を見直し、経費を削減することも大切です。仕入れの金額、人件費、水道光熱費、保険料といったさまざまな費用の見直しを行いましょう。
ただしコスト削減を優先し過ぎて、商品やサービスの低下が発生し顧客が減らないように注意が必要です。
余裕を持った資金を用意する
余裕を持った資金を用意することで現金残高を底上げできるため、キャッシュフローを改善ができます。
開業時に余裕を持って資金を用意しておくのも有効な手段です。用意する資金の目安は、固定費3ヶ月分と金融機関への返済分も3ヶ月分ほどが目安といわれています。
また、自己資金を用意することによって、資金繰りの見通しを立てられるため、金融機関から信頼を得やすくなるのもメリットです。安定した飲食店経営を行うためには、一定の自己資金を用意しておきましょう。
売掛販売に注意する
売掛販売とは商品を提供した際に、その場で支払いを済まさずに後日代金を支払う取引方法です。売掛販売は、入金のタイミングがずれて現金がショートする原因になるため注意が必要です。
売掛販売は、一定期間の取引を一括請求して簡便にするための取引方法です。売掛販売を採用している飲食店は、売掛販売の入金がいつあるのか、支払日に入金されているかなど細かくお金の流れを把握し、遅延した場合にすぐに催促ができるようにしておきましょう。
ファクタリングを利用して債権を売却する
ファクタリングとは、売掛先から代金を受け取る権利である、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化することです。
銀行融資は資金化に時間がかかったり、売掛販売の請求代金の入金に時間がかかったりとタイムラグがあるのに対し、ファクタリングは最短即日から数日で素早く資金調達ができます。
ただし、ファクタリングには手数料がかかるので注意が必要です。たとえばクレジットカードの債権をファクタリングすると、カード会社とファクタリング会社の二重で手数料がかかってしまうため手数料の負担についても把握しておきましょう。
キャッシュフローの改善に役立つ「独自Pay」発行サービス「Value Card」
キャッシュフローの改善には、キャッシュインを早くし、キャッシュアウトを遅くすることも有効です。
「独自Pay」は、株式会社バリューデザインが提供する自社独自のプリペイド式電子マネーを発行できるサービスです。店舗を利用するお客様が商品を購入する前にカードに現金をチャージして利用するプリペイド式のため、店舗運営企業はチャージされた時点で、前受金として現金を受け取ることができます。つまり、キャッシュインを早くすることができるのです。
さらに、店舗における販促活動を支援するマーケティング機能なども備えているため、売上アップにも貢献します。
独自Payのメリット
独自Payは、顧客が商品を購入する前にカードへ現金をチャージして利用するプリペイド式です。店舗は前受金として現金を受け取れるので、資金繰りが楽になり、経営状態の改善が見込めます。
- キャッシュレス決済の決済手数料が高く経営課題になっている
- 現金が手元に少なく資金繰りが大変
- 店舗のリピーターが増えない
といった問題の解決が見込めるのが、独自Payのメリットです。
導入までの流れ
サービスの導入にかかる期間は、実施内容の検討からシステム登録まで約3ヶ月程度です。また、納品時に実際に利用する従業員を対象に運用研修を受けられるため、飲食店側の研修負担を減らすことができます。
独自Payの導入までの流れを以下にまとめました。
- ヒアリング:お店で提供するキャッシュレスサービスの内容を決める
- システム構成を決める:店舗内のシステム構成と顧客のカードの種類を決める
- その他の設定内容を決める:1、2の内容に加え、必要な設定内容を決める
- カードデザイン・サービス利用規約の作成:カード表面のデザインを決める(依頼も可能) テンプレートに沿ってサービス利用規約を作成
- システムの設定:申請いただいた内容に基づき株式会社バリューデザインが設定を実施
- 納品:カード、カード端末、クライアント証明書やマニュアル一式の入ったCDなどが納品される
導入や運用方法の詳しい情報については、以下のリンクより問い合わせてみてください。
飲食店の経営においてキャッシュフローに関する知識は重要
資金繰りに困らないためには、現金の流れをしっかりと把握しておくことが重要です。基本的には資金繰り表を作成しておくことが基本ですが、開店時の借り入れで資金に余裕をもって調達する方法や債権を売却するファクタリングといった方法もあります。
資金面に関することは「知らなかった」では済まなくなることが多いため、飲食店を運営する方はこの記事を参考に理解しておきましょう。