キャッシュレス決済の手数料に関する店舗の見解と動向 導入の実態について徹底解説!
さまざまな店舗で導入が進む「キャッシュレス決済」ですが、未導入の店舗も少なくありません。
本記事では、キャッシュレス未導入の店舗がキャッシュレス決済を導入をしない理由や導入しないことによるデメリット、キャッシュレス決済に関する消費者の動向などについて解説します。
目次[非表示]
- 1.経済産業省のキャッシュレス決済に関する資料
- 2.キャッシュレス決済を導入しない店舗とその理由とは?
- 2.1.理由①お客様からの要望がない
- 2.2.理由②手数料が高い
- 2.3.理由③導入のメリットが分からない
- 3.キャッシュレス決済を導入する店舗とその理由とは?
- 4.キャッシュレス決済に関する消費者の動向
- 4.1.動向①買い物回数の増加
- 4.2.動向②決済金額の増加
- 4.3.動向③キャッシュレス決済を利用する場所の傾向
- 5.キャッシュレス決済の導入を進めないことによるデメリット
- 6.決済代行会社の選び方
- 7.キャッシュレス決済の手数料に関する各店舗の実態
- 7.1.調査内容や取り組み①許容できる手数料率
- 7.2.調査内容や取り組み②決済手数料の負担は値上げで対応
- 7.3.調査内容や取り組み③現金決済とキャッシュレス決済の対応の差
- 7.4.調査内容や取り組み④キャッシュレス決済導入後の課題
- 7.5.調査内容や取り組み⑤セルフレジ
- 7.6.調査内容や取り組み⑥モバイルオーダー
- 7.7.調査内容や取り組み⑦フルキャッシュレス
- 7.8.調査内容や取り組み⑧会計システムの連携
- 8.キャッシュレス決済の課題を解決するならアララ キャッシュレス
- 9.キャッシュレス決済を導入すればメリットがたくさん
経済産業省のキャッシュレス決済に関する資料
経済産業省は、2022年6月1日に2021年のキャッシュレス決済比率が32.5%であったと発表しました。内訳としては、クレジットカードが27.7%、デビットカードが0.92%、電子マネーが2.0%、コード決済が1.8%とし、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を4割程度にすることを目指すとしています。
また、経済産業省が2022年3月22日に公開した「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」には、「日本におけるキャッシュレス決済の現状」「キャッシュレス決済のコスト構造」「キャッシュレス決済の政策的意義」「キャッシュレス推進施策の方向性」とともに、「キャッシュレス決済加盟店舗等の状況」として、消費者と店舗に対するアンケート調査の結果が記載されています。
参考資料:2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました-経済産業省
参考資料:キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会
キャッシュレス決済を導入しない店舗とその理由とは?
上記の資料によると、キャッシュレス決済を導入していない店舗の主な理由として、
- お客様からの要望がない
- 手数料が高い
- 導入のメリットが分からない
などがあります。それぞれの概要を見ていきましょう。
理由①お客様からの要望がない
キャッシュレス決済を導入しない理由の1位は「お客様からの要望がないから」というものでした。この理由を挙げた店舗の傾向としては「キャッシュレス決済を使えるか」などとお客様から聞かれることがなかったり、キャッシュレス決済に不慣れな年齢層のお客様が多いことなどが考えられます。
理由②手数料が高い
2番目に多かった理由が「手数料の高さ」です。キャッシュレス決済手数料率は3%台前半が主流とされており、なかなか導入に踏み切れない事業者が多いことが分かります。また、キャッシュレス決済の利用拡大に伴い、現在キャッシュレス決済を導入している事業者の中にも手数料負担が上がれば、今後の経営が困難になってしまうという声があるようです。
理由③導入のメリットが分からない
キャッシュレス決済未導入の理由の3位は、「キャッシュレス決済を導入するメリットが分からない」というものでした。キャッシュレス化が進んでいない業界において、この理由を挙げていることが多いと推測されます。また、「現金のみでの決済で特に困っていない」という意見もあります。
キャッシュレス決済を導入する店舗とその理由とは?
一方で、キャッシュレス決済を導入した理由には、次のようなものがあります。
キャッシュレス・消費者還元事業に対応したいから
キャッシュレス決済に対応していないことによる機会損失の削減
キャッシュレス決済導入による新規顧客の開拓
他にも、キャッシュレス決済を導入したことにより、客単価の増加、会計スピードアップ、決済の手軽さの向上、機会損失の削減、違算金確認の手間の削減などのメリットがあったという意見がありました。
キャッシュレス決済に関する消費者の動向
キャッシュレス決済を利用している消費者の動向を見ていきましょう。
動向①買い物回数の増加
キャッシュレス決済に対応している店舗での買い物回数が増えたという消費者が多いようです。この動向により、キャッシュレス決済に対応している店舗では客数・客単価が上昇している傾向であることが分かります。
動向②決済金額の増加
また、キャッシュレス決済に対応している店舗での決済金額が増えたという人が4割近くいるというアンケート結果もあり、買い物回数の増加に伴い決済金額が増えていることが推測できます。
動向③キャッシュレス決済を利用する場所の傾向
キャッシュレス決済はさまざまな店舗で導入されていますが、なかでも消費者の利用率が高いのが、スーパー、ドラッグストア、コンビニといったチェーンストアです。一方で、生活関連サービス(クリーニングなど)、個人商店などでの利用率が低くなっています。
キャッシュレス決済の導入を進めないことによるデメリット
キャッシュレス決済を導入していないと、さまざまなデメリットがあります。最大のデメリットは、会計時の現金のやりとり、レジ締めといった業務に時間がかかってしまうことです。また、現金でのやりとりは、店舗がつり銭用に現金を用意しておかなければならず、売り上げが高い店舗の場合、多額の現金の持ち運びのリスクもあります。
その他、現金以外の支払い方法に対応できないとなると、新規顧客を逃してしまう可能性もあります。結果的に、売り上げアップにつながらず他店に顧客を取られてしまい、売り上げが落ちてしまうことも考えられます。
決済代行会社の選び方
前述したキャッシュレス決済を導入していない理由を解消できれば、キャッシュレス決済の導入を検討する事業者も増えるでしょう。キャッシュレス決済を導入する際は、決済代行会社の選び方が鍵となります。どのように選べばよいのか、ポイントをご紹介します。
- 決済手数料率が低い
決済手数料率は3%前半台が一般的ですが、それよりも低く設定されている決済代行会社もいくつかあります。決済手数料の負担を抑えたい場合は、できるだけ低い手数料率の決済代行会社を選ぶのも1つの手です。
対応している決済手段を確認する
決済手段には、クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード・バーコード決済などがあります。客層に合わせて決済手段を選ぶようにしましょう。たとえば外国人観光客が多い店舗ではクレジットカード決済を、若いお客様が多い店舗ではQRコード・バーコード決済を選ぶと良いでしょう。
- 業務効率アップや集客機能の有無
決済代行会社によっては、業務効率をアップさせるような機能があったり、集客に役立つ機能をもつサービスを提供しています。導入目的にあった決済代行会社を選ぶことで、売り上げ向上も期待できます。
また、「キャッシュレス推進協議会」のサイトにある、キャッシュレス決済事業者の中・小規模事業者向けプラン一覧を活用する方法も有効です。このプラン一覧では、利用可能決済手段や決済手数料利率、入金サイクル、利用可能地域などで決済代行会社の絞り込み可能となっています。
キャッシュレス決済の手数料に関する各店舗の実態
キャッシュレス決済の手数料に関する各店舗の実態や、キャッシュレス決済を導入することで店舗側のメリットを増加させる取り組みをご紹介します。
調査内容や取り組み①許容できる手数料率
「キャッシュレス決済実態調査アンケート」によると、店舗側で許容できる決済手数料率の上限は2%台までという回答が全体の8割を超えています。しかし、実際の決済手数料率は、いずれの決済手段であっても 3%台前半が多くなっています。そのため決済手数料率が4%以上になってしまうと、現金決済への回帰も考えられます。
調査内容や取り組み②決済手数料の負担は値上げで対応
あるアンケート調査によると、決済手数料を吸収するために多くの店舗でやったことのひとつが「値上げで対応する」という回答でした。キャッシュレス決済を導入した店舗の7割は売り上げを4%以上伸ばしていることもあり、3%台の決済手数料がかかるとしても、「十分吸収できている」「キャッシュレスに対応し、お客様に利便性を感じてもらえるほうが店舗として重要」と考えているようです。
調査内容や取り組み③現金決済とキャッシュレス決済の対応の差
キャッシュレス決済の手数料の高さは、多くの店舗で負担に感じているのは事実のようです。また、「お客様さまからの値引きの要望にはキャッシュレス決済では対応できないため、現金での決済を提案する可能性がある」など、手数料の負担よりも現金決済のお客様とキャッシュレス決済のお客様への対応の差が出てしまうことを問題視する事業者もいます。
調査内容や取り組み④キャッシュレス決済導入後の課題
キャッシュレス決済を導入した店舗を対象に「キャッシュレス決済の手数料や管理費の印象」を聞いたアンケートで、「そう思う」「ややそう思う」という回答が5割を超えた項目には、次のようなものがありました。
- 決済代金の銀行口座振込にかかる振込手数料が高い、振込手数料が分かりにくい
- 決済手数料の仕組みが複雑で分かりにくい
- キャッシュレス決済を増やすことで生じる追加料金が分かりにくい
- 決済額や決済1件ごとにかかる決済手数料が分かりにくい
その他にも、キャッシュレス決済導入後の不満として「導入費用や月々の手数料の支払いがある」という意見もありました。
調査内容や取り組み⑤セルフレジ
「セルフレジ」は、お客様自身が商品バーコードの読み取りをし、精算までを行うレジシステムのことです。セルフレジを導入することにより、両替する頻度や両替手数料といった両替にかかるコストを削減できます。また、キャッシュレス決済とともに利用することで、客単価の増加やつり銭の受け渡しミスの削減、従業員が現金を触ることが減りお客様と接触する機会も減ることから、衛生面が向上したというメリットも報告されています。
調査内容や取り組み⑥モバイルオーダー
お客様がスマートフォンやタブレットなどのデバイスから、商品の注文、事前予約、決済が行える「モバイルオーダー」は、オーダー機能と決済機能の両方が備わっていることから、レジ対応と現金取り扱い業務、注文を受ける作業がなくなり、大幅な業務効率化を実現できます。導入した店舗では、人件費の削減や新規顧客の獲得にもつながったいう効果もあったそうです。
調査内容や取り組み⑦フルキャッシュレス
「フルキャッシュレス」は、お客様からの支払いをキャッシュレス決済のみですべて対応する取り組みのことをいいます。フルキャッシュレスを導入している店舗では、現金の取り扱いが最低限で済むため窃盗リスクが削減できるほか、違算金確認時間や両替時間といった現金を取り扱う時間をなくすことができ、オペレーションの効率化につながったという意見がありました。
調査内容や取り組み⑧会計システムの連携
「会計システムの連携」とは、既存の財務会計システムとPOSシステムを連携する取り組みのことです。会計システムの連携によって、売り上げなどの決算に必要となる情報の集計、必要書類の作成といった業務が自動化できます。
導入した店舗によると、経費を抑えるよりも売り上げを上げるために時間を割きたいことから導入したそうです。会計システムとPOSシステムを連携させたことにより、売上伝票入力や確定申告に関連した帳票作成、給与明細作成の時間削減や税理士への支払い費用の削減に成功し、業務が効率化されるというメリットを得られたといいます。
キャッシュレス決済の課題を解決するならアララ キャッシュレス
「アララ キャッシュレス」は、総合型キャッシュレス支援サービスです。独自Pay(ハウス電子マネー)の発行はもちろん、ポイントやデジタルギフト、販促、各種分析機能など、店舗のキャッシュレス化に必要な機能を標準装備しています。
前述した通り、キャッシュレス決済の導入を躊躇してしまう理由には、「手数料の高さ」「導入のメリットが分からない」などがありますが、こういった課題を解決できるのが「アララ キャッシュレス」です。
「アララ キャッシュレス」の特長は、一般的な汎用決済に比べ手数料率が低く店舗の負担を軽減できるところです。また、プリペイド型の決済手段のため、お客様がチャージしたタイミングで店舗に現金が前受金として入ります。それにより、運転資金が確保され、キャッシュフローの改善につながる点もメリットのひとつとなっています。そのほか、キャンペーンの設定や会員ランク機能などで、お客様の再来店も期待できます。
アララ キャッシュレスを導入すれば、店舗経営での課題を多角的に解決できます。ぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
キャッシュレス決済を導入すればメリットがたくさん
キャッシュレス決済は、導入することで作業効率の向上や新規顧客の開拓、客単価のアップ、現金取り扱いコストの削減など、メリットがたくさんあります。
手数料が高いのがネックという声もありますが、なかには低い手数料率の決済代行会社もあります。キャッシュレス決済が未導入という事業者の方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。