美容室の開業手続きの流れや、必要な資金・資格についてご紹介
美容師になったからには「将来は独立して、自分の美容室を開業する」ことを夢見る方も多いでしょう。しかし、いざ開業しようと思っても何から始めればいいかわからず困る方もいるのではないでしょうか。
本記事では、美容室の開業の流れや必要な資格について解説します。準備のポイントや注意点を押さえて美容室開業を成功に導きましょう。
目次[非表示]
- 1.美容室開業に必要な資格
- 2.美容室開業の流れ
- 2.1.コンセプト決定
- 2.2.事業計画書の作成
- 2.3.資金調達
- 2.4.出店エリア・物件の選定
- 2.5.内装・外装の工事
- 2.6.各種届出や手続き
- 2.6.1.税務署での手続き
- 2.6.2.保健所での手続き
- 2.6.3.消防署での手続き
- 2.6.4.労働基準監督署やハローワークでの手続き
- 2.6.5.年金事務所での手続き
- 2.6.6.商標登録の手続き
- 2.6.7.告知・集客
- 3.美容室開業に必要な資金
- 4.美容室開業のポイント
- 5.美容室の差別化ならバリューデザインの独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」がおすすめ
- 6.まとめ:美容室開業の鍵は差別化
美容室開業に必要な資格
美容室を開業・経営するためにはいくつかの資格が必要です。開業準備を始める前に、まずは必要な資格を確認しましょう。
美容師免許
美容室を開業するのにあたり必須なのが、美容師免許です。美容師免許は国家資格であり、厚生労働省が指定する美容師養成施設で学科を習得し、実技試験と学科試験に合格することで取得できます。美容師免許証は後述する保健所での手続きの際にも必要になります。
なお、オーナーが美容師免許を取得していなくても、実際に現場で働く従業員が所持していれば問題ありません。
管理美容師免許
美容室の開業にあたって、自分以外の従業員を雇う場合には「管理美容師免許」もあわせて取得しておく必要があります。管理美容師には、美容師法に定められている美容室の衛生管理責任者の役割があります。
管理美容師免許は、美容師としての実務経験が3年以上あるうえで、各都道府県で指定の講習を受講することによって取得できます。
美容室開業の流れ
資格を取得したら、いよいよ美容室を開業する準備を始めましょう。ここでは美容室を開業するまでの流れを解説します。
コンセプト決定
まずは自身の美容室のコンセプトを決めましょう。開業準備をするにあたっては「どのような顧客に、どのようなサービスを提供する、どのような空間にしたいのか」ゴールを決めることが重要です。具体的にはターゲットとする顧客層、強みとする施術メニューや金額、内外装の雰囲気、サロン名などを考えます。
事業計画書の作成
コンセプトを決めたら、具体的な事業計画を立て、事業計画書を作成します。どの業界・業種においても、開業時は資金がかかるものです。全てを自己資金で準備することが難しい場合、金融機関から融資を受けたり、助成金や補助金制度を利用したりする必要があります。
しかし、返済能力がないとみなされてしまうと融資を受けることはできません。そこで、収益性や売上計画、返済シミュレーションを記載した事業計画書を提出します。事業計画書には、書くべき項目は以下の通りです。
- 経歴
- 事業の概要
- 事業のコンセプト
- 従業員の状況
- 競合や市場規模など環境面
- 自社の強みと弱みなど現況
- サービスや商品の概要
- 販売戦略やビジネスモデル
- 体制や人員計画
- 財務計画
事業計画書は、融資や補助金・助成金を利用せず、自己資金のみで開業する場合であっても作成しておきましょう。具体的な売上計画を立てることで、アイディアを客観的に整理することができます。また、事業計画書は、開業後方向性に迷ったときやなかなか売上が上がらないときに、戦略を考える上での道しるべとなります。
資金調達
詳しくは後述しますが、美容室を開業する際には、初期費用や運転費用がかかります。自己資金だけでは足りない場合は、先ほど作成した事業計画書を金融機関に提出し、融資の申請を行いましょう。政府や地方自治体が用意する補助金や助成金制度を利用する場合は、そちらにも事業計画書を提出します。融資の可否の結果が出るまでには、申請から1か月ほどかかるため、事業計画にもとづいて準備をしましょう。
他にも、クラウドファンディングなどで資金を集める方法もあります。
出店エリア・物件の選定
開業するにあたっては、物件選びも重要です。まずは、出店地を決めるために、お店のターゲット層や提供したいメニューと、地域の客層やニーズがマッチしているか、市場調査をしましょう。実際に候補地に足を運び、人の流れや街の雰囲気を感じてみることも大切です。
市場調査で押さえておくべき点は、例えば以下のような項目です。
- どのような年齢層や性別の人が住んでいるか
- 繁華街か住宅街かオフィス街か
- 駅から近いか遠いか
- 周辺に競合店はあるか
市場調査をしたら、物件を選びます。美容室を開業する際は、以下のような物件の種類が考えられます。
- 自宅
- 居抜き物件
- スケルトン物件
- テナント物件
それぞれの物件のメリット・デメリットを予算と照らし合わせながら、物件を決めていきましょう。
内装・外装の工事
物件を決めたら、内外装工事の準備をします。理想的な店舗を作るために、業者にコンセプトやイメージを伝え、打ち合わせを重ねましょう。ただし、内外装にこだわればこだわるほど、費用は高くなるので注意が必要です。こだわるポイントとコストを抑える部分を明確にして置くとスムーズに進みます。
また、美容室の内装には保健所や消防署が定めるさまざまな規定があります。専門知識が必要となるため、美容室の施工実績が豊富な業者の中から選ぶと安心です。
各種届出や手続き
美容室を開業するためにはさまざまな届出や手続きを行わなければなりません。不備があると開業が遅れてしまうため、抜け漏れのないように準備をしましょう。
税務署での手続き
美容室に限らず、なにか事業を始める際には、税務署に必ず開業届を提出しなければなりません。開業届を出すことで青色申告の承認手続きを受けられるようになります。また、銀行口座の開設やクレジットカード契約、オフィスの賃貸契約など、開業届の控えの提示を求められる手続きが多くあります。税務署に開業届を提出する際は控えを忘れずに受け取りましょう。
開業届の他にも、税務署へ提出が必要となる可能性のある、主な書類には以下のようなものがあります。
- 開業届出書
- 都道府県税事務所へ提出する開業に関する書類
- 青色申告承認申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
これらは必須ではありませんが、条件に応じて提出しなければならない場合もあるため、どの書類を提出する必要があるのか、確認しておきましょう。
保健所での手続き
美容室を開業するためには、保健所から営業許可を受ける必要があります。保健所へ提出する書類は以下の通りです。
- 開設届
- 施設の平面図
- 構造設備の概要
- 従業者名簿
- 医師の診断書
- 管理美容師講習会の終了証
また、書類の提出後には申請内容に虚偽がないか、保健所による店舗への立入検査があります。検査に合格すると、営業許可が受けられます。
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消防署での手続き
美容室を開業するためには、消防署が定める基準も満たさなければなりません。そして保健所と同様、消防署による消防検査を受ける必要があります。消防検査を受けるにあたって、消防署での手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 防火対象物概要表
- 案内図
- 詳細図
- 平面図
- 立面図
- 展開図
- 断面図
- 室内仕上表及び建具表
基準については、工事着工前に内装工事事業者や管轄の消防署に確認をしておきましょう。
労働基準監督署やハローワークでの手続き
従業員を雇う場合、労災保険や雇用保険に加入するために、労働基準監督署やハローワークでの手続きも必要となります。労働基準監督署に提出する書類は以下の通りです。
- 保険関係成立届
- 適用事業報告
- 就業規則届(従業員が10名以上の場合)
また、ハローワークへの提出が必要な書類は以下の通りです。
- 適用事業所設置届出
- 被保険者資格取得届
雇用する従業員数によって提出する書類が異なるため、注意しましょう。
年金事務所での手続き
法人を設立して開業をする場合は、健康保険や厚生年金へ加入しなければなりません。そのためには、以下の書類を年金事務所に提出する必要があります。
- 新規適用届出
- 被保険者異動届
- 被保険者資格取得届
- 履歴事項全部証明書又は登記簿謄本(法人の場合)
商標登録の手続き
必須ではありませんが、サロン名を商標登録しておくのもよいでしょう。商標登録をしておくことで、お店のブランディングにつながります。
例えば、同じ店名の競合店が出てきた場合でも、先に商標登録をしておけば、店名の変更を求めることができるなど、サロン名を独占的に使用できるようになります。
告知・集客
単に開業しただけでは、顧客はお店に来てくれません。告知や集客をしっかりと行いましょう。
具体的な集客施策の例は以下です。
- チラシ
- ダイレクトメール
- ホームページ
- ブログ
- ポータルサイト
- SNS
開業時は、少しでも多くの顧客にお店に足を運んでいただくことが何よりも大切です。チラシを持参した方への特典や初めて利用する方への割引などを用意し、来店のきっかけを作ることも有効です。
美容室開業に必要な資金
美容室の開業に必要な資金には、主に以下の2種類があります。
- 初期費用
- 運転資金
それぞれ詳しく解説します。
初期費用
美容室を開業するための初期費用は、平均で1,000万円〜2,0001,200万円ほどかかると言われています。初期費用の内訳は、物件取得費、内外装工事費、設備投資費、備品調達費などです。
美容室に必要なシャンプー台やパーマ用機器などの専門機器は、高額なものが多くあります。また、シャンプー台の設置に伴う配管工事や、同時に複数のドライヤーを使用できるようにするための空調工事など、内装工事にも費用がかかります。
他にも立地や外装にこだわるとさらに費用が必要になる場合もありますが、居抜き物件を利用するなど、工夫することで初期費用を大幅に抑えられる場合もあります。
運転資金
運転資金は、開業後に事業を継続していくために必要な資金のことで、具体的には家賃や水道光熱費、人件費や仕入れ費などです。
美容室では、シャンプーやトリートメント、カラー剤、パーマ液などの材料をはじめ、グローブやクロスなどの消耗品を定期的に仕入れる必要があります。これらはさまざまなメーカーの製品を一度に発注できる美容ディーラーから仕入れるのが一般的です。
なお、開業時に用意する開業資金としては、初期費用に加え、6か月分の運転資金を用意しておきましょう。開業後すぐは売上が安定しないため、ある程度の運転資金を確保しておくと安心です。
美容室開業のポイント
美容室の開業を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。それぞれのポイントを詳しく解説します。
綿密な事業計画
事業計画は、美容室開業までの流れの序盤で作成に取りかかりますが、なるべく細かな事項まで具体的に計画を立てるようにしましょう。
開業後すぐは、顧客が定着せず、売上が思うようにあがらないこともあります。事前の事業計画を綿密に立てていれば、そのような時も焦らず、戦略を考えることができるでしょう。
特に、資金計画をしっかりと練っておくことが重要です。もちろん開業にはお金がかかりますが、開業後にはかなりの運転資金がかかります。最初は利益が出なくても経営していけるよう、開業資金を抑えたり、資金調達方法を確立したりしておきましょう。
競合店との差別化
美容室の店舗数はコンビニエンスストアよりも多いと言われています。開業後に生き残っていくためには、競合店と差別化できているかがカギとなります。
個性的なコンセプトを打ち出したり、他店には負けない自信のある施術を推したり、接客に力を入れたりなど、「自分の店舗だからこそできることはなにか」を追求し、競合店との差別化を図りましょう。
他にもキャッシュレスサービスを導入して顧客の利便性を高めたり、ポイントサービスを取り入れて顧客満足度をあげる工夫をしたりすることも効果的です。
集客戦略
単に開業をしても顧客は来てくれません。開業後、安定的に売上をあげるために、開業前の宣伝戦略はもちろん、開業後のリピーター獲得施策も含め、集客戦略を立てましょう。
例えば、自店舗のみで使える電子マネー「独自Pay(ハウス電子マネー)」を導入することも集客戦略の一つです。自店舗のみで使える事前チャージ式のキャッシュレス決済のため、顧客の他店への流出を防ぎ、リピーター獲得に役立ちます。また、ポイントやキャンペーン、ランク制度など、顧客の再来店を促す機能を搭載しているサービスもあります。
美容室の差別化ならバリューデザインの独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」がおすすめ
競合店との差別化や集客施策におすすめなのがバリューデザインが提供する「Value Card」「アララ キャッシュレス」です。「Value Card」「アララ キャッシュレス」は、店舗で独自の電子マネーを発行できるサービスです。店舗のキャッシュレス化に必要な機能をワンパッケージで提供し、レジ業務の効率化・店舗スタッフの負担軽減に役立ちます。ポイントサービスやデジタルギフトの機能も標準搭載しているため、単なる決済手段としてだけではなく、販促やリピーター獲得施策に活用することも可能です。
さらに、他のキャッシュレス決済に比べて手数料が低いうえ、前受金を現金で受け取れるプリペイド式のため、店舗のキャッシュフロー改善につながります。
競合店との差別化を図り、リピーターを獲得する施策の一環として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:美容室開業の鍵は差別化
多くの美容師にとって美容室の開業は夢ですが、開業には事業計画の作成をはじめ、資金調達や各種申請の手続きなど、さまざまな準備をしなければなりません。また、開業後を見据えて、競合店との差別化を図ったり、集客施策の計画を立てたりすることも重要です。ポイントを押さえ、入念な開業準備をしましょう。
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