訪日外国人観光客を集客する方法とは?インバウンド集客の効果的な対策7選と成功事例をご紹介
インバウンド集客とは、外国人観光客を日本に集客することを指します。日本へ訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、飲食店をはじめとする店舗を運営する企業の売上や首都圏だけでなく地方の地域活性にも大きな影響を与えるため注目が集まっています。
本記事では、店舗を展開する企業や自治体向けにインバウンド集客について詳しく解説します。インバウンド集客をおこなうメリットや注意点、成功させるポイントや必要な対策などをまとめて紹介しますので参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.インバウンド集客とは?
- 2.訪日外国人観光客を増やすには?
- 3.インバウンド集客をするべき理由
- 4.インバウンド集客をおこなうメリット
- 4.1.店舗の売上増加になる
- 4.2.地域活性化につながる
- 5.インバウンド集客の課題と解決策
- 5.1.外国語でのコミュニケーションの取りにくさ
- 5.2.外国人観光客との文化の違いによるトラブル
- 5.3.既存客に影響が出る可能性
- 6.インバウンド集客を成功させる2つのポイント
- 7.インバウンド集客に効果的な7つの対策
- 7.1.1.SNSアカウントの運用
- 7.2.2.Googleマップを活用する
- 7.3.3.外国語で対応できるよう準備する
- 7.4.4.外国語に対応したメニューや看板を用意する
- 7.5.5.公式ページやグルメサイトを外国語で表示できるようにする
- 7.6.6.Wi-Fi環境を整備する
- 7.7.7.キャッシュレス決済に対応する
- 8.インバウンド集客の成功事例
- 9.インバウンド対策!自店舗へ外国人観光客を呼び込むデジタルギフト
- 10.インバウンド集客を実施して売上アップを図りましょう
インバウンド集客とは?
インバウンド集客とは、外国人観光客を日本に集客することです。「インバウンド」とは「外から中に入る動き」という意味で、外国人が日本に訪れることを表しています。
インバウンド集客は、外国人観光客が日本旅行を楽しめるようさまざまなサービスを提供し、継続的に自店に来店してもらえるようにすることが目的です。
訪日外国人観光客を増やすには?
訪日外国人観光客を増やすには、何をしたらいいのでしょうか。日本での集客方法とも重なりますが、海外でもInstagramなどのSNSは広く利用されています。これらのSNSやデジタルでの接点を増やしていくことが有効と言えます。
発信する情報としては、お店で取り扱う商品やメニューへのこだわり(例:日本の●●地域でしかとれない✕✕を利用など)なども良いでしょう。また、日本語が分からない外国人観光客もいることから、英語や多言語に対応した発信を心がけることが大切です。
日本人の場合もそうですが、外国人観光客も訪問先で楽しめればSNSで発信したり、知人へ伝えたりします。思わず人に伝えたくなるようなストーリーや写真を発信していくと良いでしょう。
インバウンド集客をするべき理由
さまざまな業界から注目を集めているインバウンド集客ですが、インバウンド集客をするべき理由として主に以下の2つが挙げられます。
日本国内での消費が減少しているため
インバウンド集客をするべき1つ目の理由は、日本国内での消費が減少しているからです。日本では少子高齢化の影響で、消費市場が縮小傾向にあります。
そのような中でインバウンドは拡大している市場であり、特に人口減少や消費市場の縮小が加速する地方において、重要な収入源として注目されています。
国策として外国人の受け入れを促進しているため
インバウンド集客をするべき理由の2つ目は、国策として外国人の受け入れを促進しているためです。政府は2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人まで増加させる目標を掲げており(※)、インバウンド需要を今後地域経済に取り込むことで地域経済を活性化させようとしています。
※“内閣府 公式HP”参照
インバウンド集客をおこなうメリット
インバウンド集客をおこなうメリットは、店舗の売上増加になることと地域活性化につながることです。1つずつ見ていきましょう。
店舗の売上増加になる
インバウンド集客をおこなうメリットは、店舗の売上増加になることです。2019年の訪日外国人旅行消費額は4兆8,135億円にも上り、1人当たりの旅行支出も15.9万円と高額になっています(※)。
外国人観光客の消費額の多さや客単価の高さから、インバウンド集客をおこなうことで店舗の売上アップが期待できます。
※“国土交通省 公式HP”参照
地域活性化につながる
インバウンド集客をおこなうことは、地域活性化にもつながります。外国人観光客は、都市部だけでなく地方を旅行先として選ぶことも多くなっています。外国人観光客のニーズを意識した施策をおこなうことで、新たな地域の魅力を伝えられ集客につなげられます。
インバウンド集客の課題と解決策
ここまで解説したように、インバウンド集客には、さまざまなメリットがある一方で注意しなければならない点もあります。インバウンド集客をおこなう際の注意点は、以下の通りです。
外国語でのコミュニケーションの取りにくさ
海外と違って日本には外国語に対応できる人材が少なく、飲食店での食材や料理の説明なども伝わりにくいため、外国人観光客が不満を感じてしまいやすいようです。
外国人観光客とスムーズなコミュニケーションをとれるよう、外国語を話せる人材の確保や翻訳ツールの利用などで対応することが必要です。
外国人観光客との文化の違いによるトラブル
インバウンド集客をおこなう上で、外国人観光客との文化の違いによるトラブルも注意しなければならない点です。例えば完全予約の店舗での無断キャンセルやお通し料金の請求に対するクレームなど、日本人にとっては当たり前のことも外国人観光客にとっては通用しないことがたくさんあります。
事前に外国語で店舗のシステムやルールを提示するなどして、トラブルを回避できるようにしましょう。
既存客に影響が出る可能性
インバウンド集客を積極的におこなうことで、既存客に影響が出る可能性もあります。ここまで解説してきた通り、言語や文化の違いから、外国人観光客への接客に時間がかかってしまったり、席数が少ない店舗の場合、常連客が入店できなくなってしまったりすることもあるでしょう。
席数やスタッフの確保をおこない、外国人観光客だけでなく既存客も気持ち良く来店できるよう準備しておくことが大切です。
インバウンド集客を成功させる2つのポイント
インバウンド集客を成功させるために、特に意識すべき2つのポイントを解説します。
1.外国人観光客に向けたプロモーションを積極的におこなう
インバウンド集客を成功させるためには、外国人観光客に向けてプロモーションを積極的におこなう必要があります。具体的には、WEBサイトやパンフレットの多言語化、フリーWi-Fiの整備、店内の英語表記対応などです。
特に力を入れるべきはSNSの活用です。観光庁が実施した調査によると、外国人観光客が出発前に得た旅行情報源で役に立ったものとして挙げているのが、1位「SNS」(24.6%)、2位「個人のブログ」(24.4%)、3位「自国の親族・知人」(19.6%)という結果が出ています(※)。SNSを参考にする外国人観光客が最も多いため、インバウンド集客を成功させるためには、SNSを活用したプロモーションをおこなうと良いでしょう。
※“国土交通省 公式HP”参照
2.外国人観光客をリピーターにする施策をおこなう
外国人観光客をリピーターにする施策をおこなうことも大切です。一度きりの旅行で終わらせてしまうのではなく、質の高い体験を提供して「また来たい」と思ってもらえるようにしましょう。地道に情報発信をしてファンを作ることも大切です。インバウンド集客に投資するのが難しい自治体は、複数の企業やDMOと連携してチームで施策に取り組むのも良いでしょう。
また、外国人観光客は、初回は都市部を旅行先として選ぶことが多いですが、リピーターは地方を選びやすい特徴があります。地方ならではの強みを打ち出すことも、インバウンド集客を成功させるポイントです。
さらに、インバウンド集客を安定させるためには、帰国後も外国人観光客とコミュニケーションを取ったり情報提供を行ったりすることが必要です。自治体の公式SNSの開設や通年に渡るプロモーションキャンペーンなど、外国人観光客のニーズに応じた施策を行うことで継続した収益が見込めます。
インバウンド集客に効果的な7つの対策
ここからは、インバウンド集客に必要な対策を7つ紹介します。まずは取り入れやすいものから試し、インバウンド集客につなげましょう。
1.SNSアカウントの運用
海外でも多くの人がSNSを利用しています。 無料で利用できるものも多く、世界的に使われているものから、特定地域で特に流行っているSNSなどもあります。 代表的なSNSとして、写真や動画の投稿がメインとなるInstagramがありますが、昨今では、Instagram上で検索をし情報収集をする人も増えており、情報源としての利用も高まっています。魅力的な写真や動画を投稿することで、商品やサービスを知ってもらうきっかけを作ることができます。 SNSアカウントの運用にあたっては、どのようなコンセプトで、どのような内容を、どのタイミングで発信するか、ルールをある程度決めてからスタートすることをおすすめします。最初にルールを決めておくことで、3日坊主など運用の滞りを防ぐことができます。
2.Googleマップを活用する
Googleマップへの登録もおこなうと良いでしょう。 Googleマップは無料で利用できるマップアプリです。外国人観光客などは、目的地へ行くために地図を利用するため、地図上にお店の情報を載せておくことは集客に効果的です。
実際、お店の情報や口コミなどもGoogleマップで確認している外国人観光客もいます。 よりGoogleマップを集客に利用するために、Googleが提供する「Googleビジネスプロフィール」(無料)を登録すると良いでしょう。MEO対策(Map Engine Optimization)とも呼ばれますが、登録しておけば、Googleマップ上で店舗情報を上位表示させることができます。 検索に必要なカテゴリ情報を登録できるほか、営業時間や基本情報などを登録することができます。最新情報の発信のほか、ユーザーからのコメントへの返信もおこなえます。
上位に表示され、多くのコメントを獲得できれば、さらなる集客が期待できるでしょう。なお、ネガティブなコメントが書かれた際は、迅速に真摯に対応するようにしましょう。
3.外国語で対応できるよう準備する
「インバウンド集客をおこなう際の注意点」でも述べたように、外国語でのコミュニケーションは外国人観光客にとってストレスにつながります。店舗のスタッフが外国語で対応できるよう、準備しておくことが大切です。 外国語を話せる人材を確保しておくことも有効ですが、なかなか見つからない場合は翻訳ツールを導入して、どのスタッフも簡単なコミュニケーションをとれるようにしておくのがおすすめです。
4.外国語に対応したメニューや看板を用意する
インバウンド集客をおこなう際は、外国語に対応したメニューや看板を用意することも必要です。 日本語のメニューと看板のみでは外国人観光客に店舗を選んでもらえず、来店しても不便さを感じさせてしまいます。日本語と英語はもちろん、中国語や韓国語など多言語表記に対応することがインバウンド集客を成功させるためには大切です。メニューに写真を多用するなどして、視覚的にわかりやすくするのも良いでしょう。
5.公式ページやグルメサイトを外国語で表示できるようにする
公式ページやグルメサイトを外国語で表示できるようにすることも、インバウンド集客をおこなう上で重要です。外国人観光客が情報収集する際に、公式ページやグルメサイトが外国語で表記できれば、日本語表記でしか対応していない店舗との差別化が図れます。 「Yelp」「大衆点評」「トリップアドバイザー」など、外国人観光客がよく利用するサイトに掲載するのもおすすめです。
6.Wi-Fi環境を整備する
海外ではあらゆる場所で無料Wi-Fiが整備されている場合が多く、外国人観光客の中には日本のWi-Fi環境に不満を抱く方も少なくありません。外国人観光客の多くは、スマートフォンで地図や情報を見ながら旅行するため、店舗運営企業であれば店内、自治体であれば地域のWi-Fi環境を整備しておくと良いでしょう。スムーズに検索できることで外国人観光客の満足度が向上し、インバウンド集客の成功にもつながるでしょう。
7.キャッシュレス決済に対応する
インバウンド集客する上で、キャッシュレス決済に対応することも必須です。外国人観光客は現金ではなく、クレジットカードやデビットカード、スマホ決済などを利用する場合が多いため、キャッシュレス決済への対応は欠かせないでしょう。
インバウンド集客の成功事例
次に、実際にインバウンド集客に成功した事例を3つ紹介します。取り入れやすいものからぜひ試してみましょう。
飲食店の成功事例
しゃぶしゃぶ・すき焼き食べ放題の『鍋ぞう』は、トリップアドバイザー「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本のレストラン」で、2020年に渋谷センター街店が上位に選ばれています(※)。『鍋ぞう』がインバウンド集客に成功した理由として考えられるのは以下の点です。
- 都心部の店舗に多言語対応のスタッフが多い
- 販促物やサイトの多言語化を徹底
- フリーWi-Fiの設置
また、来店した外国人観光客がトリップアドバイザーに写真を投稿しやすいよう、積極的に撮影に協力したり、投稿されたコメントに対して丁寧に返信したりするなどの対策をおこなっています。
※“トリップアドバイザー 公式HP”参照
旅館の成功事例
大分県の山奥にある旅館『山城屋』は、常に多くの外国人観光客を受け入れています。インバウンド対策としておこなっていることは、以下の通りです。
- 公式サイトの多言語化(日本語・英語・韓国語・中国語の4言語に対応)
- 旅館までのアクセス方法の動画を作成
- お風呂の入り方やバスタオルの使い方など、外国人にはわかりにくいルールを動画にまとめて客室のテレビで放映
- よくある質問に対する英語での回答例を事前に用意
このように徹底的に外国人観光客の視点に立ったサービスを提供することで、人気を得ています。
自治体の成功事例
岐阜県高山市では、外国人宿泊者数が2006年から10年間で4.3倍にも増加しており、2016年は在住人口(約9万人)の5倍以上の外国人旅行者が宿泊しています(※)。高山市がおこなったインバウンド対策は以下の通りです。
- 多言語でできる工芸品の体験
- 「飛騨高山 ぶらり散策マップ」を多言語で用意(日本語・英語・中国繁体字・中国簡体字・韓国語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・タイ語・ヘブライ語の11言語に対応)
外国人観光客が楽しく過ごせるよう環境を整備することで、インバウンド集客に成功しています。
※“国土交通省 公式HP”参照
インバウンド対策!自店舗へ外国人観光客を呼び込むデジタルギフト
「お得に日本の旅を楽しみたい」という外国人観光客の集客に役立つのが、デジタルギフトです。
例えば1,000円分のギフトに300円分の特典を付けたデジタルギフトを1,000円で販売すれば、よりお得に買い物をしたい旅行客の足を自店舗へ向けさせることができるでしょう。
バリューデザインでは、自店舗のみで利用できるキャッシュレスサービス「独自Pay」を提供しており、先述のようなデジタルギフトにも対応しています。
インバウンド対策としてだけでなく、新規顧客獲得にも役立つため、検討を進める企業が増えています。
インバウンド集客を実施して売上アップを図りましょう
インバウンド集客をおこなうメリットや注意点、成功させるポイントや必要な対策などを解説しました。
店舗運営をおこなう企業であれば売上を伸ばす、自治体であれば地域を活性化させるために、インバウンド集客への対策は今後必須となってきます。
既存客への影響にも注意しながら、外国人観光客の満足度を高めることが重要です。インバウンド集客を実施して売上アップを図りましょう。