モバイルオーダーとは?種類や仕組み、成功事例を解説!
飲食店などで増えている「モバイルオーダー」とは、顧客が店舗で注文しなくても、スマートフォン(スマホ)などのモバイルデバイスを通して事前に注文できるシステムをいいます。
では、モバイルオーダーはどのような仕組みで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?モバイルオーダーを導入して成功した事例とともに、おすすめの店舗などについて解説します。
目次[非表示]
- 1.モバイルオーダーとは
- 1.1.店外型モバイルオーダーの仕組み
- 1.2.店内型モバイルオーダーの仕組み
- 1.3.キャッシュオン型モバイルオーダーの仕組み
- 2.モバイルオーダーが注目されている背景
- 3.モバイルオーダーを導入するメリット
- 4.モバイルオーダーを導入するデメリット
- 4.1.①店舗側のデメリット
- 4.2.②顧客側のデメリット
- 5.モバイルオーダーの導入がおすすめの店舗
- 6.モバイルオーダーアプリの利用方法
- 7.モバイルオーダーの導入事例
- 7.1.事例①マクドナルド
- 7.2. 事例②くら寿司
- 7.3.事例③カレーハウスCoCo壱番屋
- 7.4.事例④Retty
- 8.店舗のキャッシュレスサービスに関する相談はバリューデザインの独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」 まで
- 9.まとめ:今後も増えるモバイルオーダー
モバイルオーダーとは
飲食業界を中心に、今注目を集めているのが「モバイルオーダー」というシステムです。モバイルオーダーとは、顧客がスマホなどにある専用アプリから注文して、店舗で商品を受け取る仕組みです。
では、モバイルオーダーの種類別にその仕組みを見ていきましょう。
店外型モバイルオーダーの仕組み
店外型のモバイルオーダーは、主にテイクアウトを注文する場合に利用される方法です。従来は、顧客が店舗まで行くか電話をして注文しなければなりませんでした。
しかし、モバイルオーダーでは、顧客は専用アプリなどから欲しい商品と受取時間を指定し、その時間に出向けば、待ち時間なくすぐに商品を受け取れます。店舗側にとっては、店頭での注文に対応したり電話を受けたりする必要がなく、スムーズに受注から商品の受け渡しまでを行うことができます。店外型モバイルオーダーの決済は、クレジットカードや各種の決済方法に対応している場合が多く、事前にキャッシュレスで支払いまで済ませることができます。
店内型モバイルオーダーの仕組み
店内型のモバイルオーダーは、飲食店での食事をする際に利用される方法です。これまでは、スタッフが各テーブルへ行き、口頭で注文を受けるのが一般的でした。
しかし、店内型モバイルオーダーでは、顧客が注文したい商品を決めたら、自分でスマホから注文します。顧客側は、注文したいときに毎回スタッフを呼び止める必要がないうえ、店舗側は注文を聞きにまわる負担を軽減できます。特に、居酒屋などは頻繁に注文を聞かなければならないため、店舗側の業務が軽減されます。
また、店外型モバイルオーダーと同様に、注文とあわせて決済も可能なため、レジ対応が不要となり、店舗スタッフの負担も減らせます。
キャッシュオン型モバイルオーダーの仕組み
キャッシュオンとは、ドリンクやフードを欲しい人が店のカウンターまで行き、その都度支払いを行い商品を受け取る方法です。海外のバーなどでよく用いられているスタイルです。
キャッシュオン型のモバイルオーダーとは、キャッシュオンをモバイルで行うシステムのことで、店舗のカウンターなどに置かれているQRコードを自分のスマホで読み取り、スマホでメニューを見て注文します。店外型モバイルオーダーとほぼ同じシステムで、飲食する前に決済まで終わらせるところが共通点です。キャッシュオン型モバイルオーダーは、店内飲食とテイクアウトのどちらにも対応可能なため、カフェやファーストフード店で多く導入されています。
モバイルオーダーが注目されている背景
モバイルオーダーを導入する店舗が増え、注目が集まっている理由のひとつに、スマホやアプリの普及が挙げられます。スマホの普及率が高まり、多くの飲食店や小売店がそれぞれ独自のアプリを展開するようになりました。その結果、スマホで事前に料理を注文する習慣も広がっていると考えられます。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人との接触をできるだけ避け、安全かつスムーズに料理を注文して受け取るサービスが求められたことも大きいでしょう。
さらに、クレジットカードはもちろん、QRコード決済、モバイル決済などのキャッシュレス決済の選択肢が増え、利用を希望する人も増加しています。モバイルオーダーがさまざまなキャッシュレス決済に柔軟に対応していることも、普及を後押ししているといえるでしょう。
モバイルオーダーを導入するメリット
モバイルオーダーを導入することは、店舗側にも顧客側にも、さまざまなメリットがあります。
①店舗側のメリット
店舗側のメリットは、店舗の回転率が上がり、最小限のスタッフで運営できるようになることです。これまで顧客の注文に対応していた時間が不要となるため、商品の準備などの別業務に時間を割くことができます。
また、店内の混雑状況に関わらず、注文を受けられるため、店舗の回転率アップも期待できます。これは、人手不足の業界にとって、スタッフの不足と負担をカバーしながら業務効率を上げることにもつながります。さらに、モバイルオーダーを利用した顧客には、次回の来店で使えるクーポンを発行したり、セールをお知らせしたりすることで、販促にも活用できます。
モバイルオーダーの導入方法には、自社アプリを開発する、既存のプラットフォームで提供されているモバイルオーダーシステムを活用する方法などがあります。既存のモバイルオーダーシステムを活用すれば、カスタマイズの自由度は低くなるものの、初期費用や月額費用などの導入コストを抑えることもできます。
②顧客側のメリット
顧客からすると、自分でゆっくりとメニューを見ながら、自分の好きなタイミングで注文できることがメリットとなるでしょう。混雑する店舗では、後ろに並んでいる人が気になって、「早く注文するものを決めなければ」とプレッシャーに感じることがあるかもしれません。しかし、モバイルオーダーであれば、行列ができる人気店であっても、自分のペースで注文できます。
また、商品の受け取り時間を指定しておけば、待ち時間なく商品をすぐに受け取ることができます。さらに、キャッシュレス決済に対応している店舗であれば、現金を持ち歩いたり釣り銭を確認したりといったことも不要なため、スマートに利用できるでしょう。
モバイルオーダーを導入するデメリット
一方で、モバイルオーダーの導入にはデメリットも考えられます。
①店舗側のデメリット
店舗側のデメリットは、スタッフがスムーズにオペレーションを行うために研修が必要となることが挙げられます。せっかくモバイルオーダーで注文を受けても、受け取り時間に商品をきちんと用意できなかったり、商品を間違えて渡したりしていては、顧客満足度が下がってしまいます。モバイルオーダーの導入時には、そのシステムで効率的に運営できるように研修を行い、作業フローを構築しておかなければなりません。
また、モバイルオーダーは、カフェやファーストフードなど調理時間が短い店に向いており、逆に調理時間が長くかかる店舗では不向きです。例えば、調理に30分や1時間程度かかるメニューがある飲食店では、モバイルオーダーで注文を受けても、受け取り時間にきちんと商品を用意するのが難しくなります。
②顧客側のデメリット
顧客側にとってみれば、スマホやアプリの操作に慣れていない人にとっては使いづらいことがあります。高齢の方などは、モバイルオーダーは利用しづらいと感じ、従来の方法がやりやすいと思う場合もあるでしょう。
また、クレジットカードやQRコードなどのキャッシュレス決済を利用できず現金で支払いたいと思っても、モバイルオーダーでは対応していない場合もあります。便利なモバイルオーダーですが、一部の顧客にとっては不便と感じる場合もあるでしょう。
モバイルオーダーの導入がおすすめの店舗
モバイルオーダーが向いている店舗は、カフェ、ファーストフードのように短時間で商品を用意できる店舗です。また居酒屋のように、一組の顧客から受ける注文の回数が多い店舗も、モバイルオーダーの利用で大きなメリットを受けられるでしょう。
そのほか、人手不足に困っている店舗、店内が個室タイプや区画に分かれていてスタッフの目が届きにくい店舗なども、モバイルオーダーの導入がおすすめです。
モバイルオーダーアプリの利用方法
ここで、顧客がモバイルオーダーアプリを利用するときの流れを紹介します。
モバイルオーダーを導入する際は、顧客が利用する流れを理解し、自社で生じる可能性のある問題点を洗い出した上で、店舗オペレーションを構築しましょう。
- スマホなどでアプリを起動しでメニューを見る
- 注文したい商品を選び注文する
- 合計金額を確認してスマホ上でクレジットカードなどで支払いを済ませる
- 注文受付の通知を受け取る
- 事前に希望した受け取り時間に店舗へ行く
- 商品を受け取る
モバイルオーダーの導入事例
実際にモバイルオーダーを導入した事例を見てみましょう。
事例①マクドナルド
日本マクドナルドでは2020年4月、マクドナルド公式アプリにモバイルオーダーの機能を拡充しました。マクドナルドのモバイルオーダーは同年3月からすでに導入されており、来店したい店舗と商品を選んで決済まで済ませ、あとは商品を受け取る仕組みです。テイクアウトやドライブスルーでの利用のほか、駐車場で待っていれば車のところまでスタッフが商品を届けてくれたり、店内のテーブルで待っていれば席まで運んでくれたりします。
このモバイルオーダーは2020年3月時点で約2,700店舗に導入され、同年4月からアプリにもこの機能が拡充したことによって、より便利に利用できるようになっています。マクドナルド公式アプリは、LINE、YouTubeなどに続いて、ユーザー数10位になったこともある大変好評な人気のアプリです。
事例②くら寿司
回転寿司チェーンのくら寿司は、2019年からスマホのモバイルオーダー「スマホdeくら」を開始しました。アプリからの注文が店舗のタッチパネルと連動していて、店内飲食の注文にも持ち帰りの注文にも利用できる仕組みです。
また、受付機械とも連動しているため、店舗の座席を時間指定で予約して来店すれば、店員を待つ必要がなく座席に座ることができます。アプリから料理を注文しておけば、ほとんど待ち時間がなくすぐに食事をスタートできます。
しかもアプリは日本語のほか、訪日外国人向けに英語、中国語、韓国語の4か国に対応しています。このアプリの導入で、スタッフの負担を軽減し、回転率の向上につながっています。
事例③カレーハウスCoCo壱番屋
カレーライスのチェーン店、カレーハウスCoCo壱番屋では、2019年からモバイルオーダーに対応しています。店内飲食する場合は、店内にあるQRコードを専用アプリから読み取って注文できるほか、事前にアプリから店舗を決めて商品を選択しておくと、店について着席しQRコードを読み込むだけで、注文が確定して調理がすぐに始まる仕組みです。テイクアウトで利用する場合は、駐車場での受け取りも可能です。全国の店舗で利用できて、待ち時間の短縮と店舗スタッフの負担軽減につながっています。
事例④Retty
口コミグルメサイトのRettyでは、2021年に飲食店向けのモバイルオーダー「Retty Order」をリリースしています。顧客は店舗にあるQRコードを読み取ると、スマホから注文できる仕組みです。
チェーン店などの大手では、独自のアプリを展開してモバイルオーダーを導入できますが、小規模の店舗ではそれが難しいという実情があります。しかし、このサービスを利用すれば、小さい店舗でもモバイルオーダーを利用できるようになり、業務効率がアップするでしょう。
店舗のキャッシュレスサービスに関する相談はバリューデザインの独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」 まで
モバイルオーダーにはキャッシュレス決済を導入しておくことが大切です。さまざまなキャッシュレス決済サービスがあるなかで、低い手数料でありながら「独自Pay(ハウス電子マネー)」と呼ばれる店舗独自の電子マネーを発行できるのが、「Value Card」「アララ キャッシュレス」はです。
プリペイド式のシステムであるためキャッシュフローが改善し、レジ業務の負担軽減にもつながります。販促のための独自のキャンペーンの設定やランク機能など、さまざまな店舗運営に役立つ機能を標準搭載しています。
まとめ:今後も増えるモバイルオーダー
日本政府がキャッシュレス化を促進していることに加え、感染症予防の観点からも、今後はさらにキャッシュレスがスタンダードな決済方法になると考えられます。加えて、労働人口の減少で人手不足が深刻化するなか、従業員の働き方改革もあって、よりデジタル技術を利用した効率的な店舗運営が必要になるでしょう。
そのような背景から、モバイルオーダーは今後もますます増えていくと予想されます。モバイルオーダーが適さないタイプの店舗もありますが、モバイルオーダーにはどのような特徴やメリット・デメリットがあるのか把握することから始め、決済方法も含めて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
以下より無料で、モバイルオーダーと連携できるキャッシュレスサービス「Value Card」「アララ キャッシュレス」の詳しい資料をダウンロードいただけます。
モバイルオーダーの導入を検討している方は、ぜひ一度ご覧ください。