店舗開業の手順を解説|お店を維持するポイントも紹介
初めて店舗を開く方の中には、「開業の進め方が分からない」とお悩みの方もいることでしょう。本記事では、店舗開業の手順を解説します。さらに開業後に店舗を維持させるポイントについても紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.店舗開業をするにあたり押さえるべきポイント
- 1.1.開業方法の種類は豊富
- 1.2.店舗開業には約1,000万円以上の資金が必要
- 1.2.1.金融機関の融資制度を利用してみる
- 1.2.2.助成金や補助金などの利用も検討してみる
- 1.3.店舗開業には資格が必要
- 1.4.店舗開業には約1年かかる
- 2.店舗開業の流れとポイント
- 2.1.1. 業種とコンセプトの決定
- 2.2.2. 開店場所周辺の市場調査
- 2.3.3. 店舗の物件探し
- 2.4.4. 開店に必要な資金調達
- 2.5.5. 事業計画書の作成
- 2.6.6. お店に必要な資格の取得
- 2.7.7. 内装と外装工事の施行
- 2.8.8. オープンに向けた準備
- 2.9.9. 税務署への開業届の提出
- 2.10.10. プレオープン
- 2.11.11. 開店
- 3.店舗経営を維持させるためのポイント
- 3.1.新しい商品やメニューを開発し続ける
- 3.2.集客に力を入れる
- 3.3.リピーターを獲得する
- 3.4.業務を見直し業務効率化を図る
- 3.5.イベントを開催する
- 3.6.キャッシュレスシステムを導入する
- 4.キャッシュレスシステムの導入なら独自Pay発行サービス「Value Card」【PR】
- 5.店舗を開業し繁盛させよう
店舗開業をするにあたり押さえるべきポイント
店舗を開業するにあたり、いくつか押さえなければならないポイントがあります。具体的にどのようなポイントを押さえるべきなのか、紹介します。
開業方法の種類は豊富
店舗開業と聞くと、完全独立をイメージする方がいることでしょう。しかし店舗の開業方法は、それだけではありません。完全独立やフランチャイズ、ボランタリーチェーン、スクールからの独立などさまざまな開業方法があります。
業種によって開業方法が異なります。代表的な店舗の開業方法を下記にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
開業スタイル |
特徴 |
---|---|
完全独立 |
完全独立で開業し自力て店舗経営をする |
スクールから独立 |
スクールで職種に関わる知識や接客、経営について学び卒業してから開業する |
フランチャイズ(FC) |
チェーンを経営する本部と加盟契約を結び開業する方法で経営マーケティングを教わりながら店舗運営をする |
ボランタリーチェーン(VC) |
同じ目的を持った店舗同士で組織を作り、チェーンオペレーションで店舗経営をする |
店舗開業には約1,000万円以上の資金が必要
業種や店舗の規模などによって必要な資金は異なりますが、店舗開業には約1,000万円の資金が必要です。不動産取得資金や設備資金、内装工事費など、開業するにあたってコストがかかります。さらに開業後も店舗を維持させるためには、運転資金も準備しなければなりません。
飲食店で開業した場合、資金の内訳は以下のようなイメージになります。ただし、下記のリストはあくまで具体例なので、参考程度に留めておいてください。
- 内装工事費用:約450万円(※)
- 機械・什器・備品費用:約220万円(※)
- 運転資金:約180万円(※)
- テナント賃借費用:約130万円(※)
- 営業保証金・FC加盟金:約20万円(※)
※参照:https://start-note.com/industry-manuals/before-starting-business/food-related/257/
金融機関の融資制度を利用してみる
店舗開業をするにあたって、資金不足に陥る方は少なくありません。もし開業に必要な資金が足りない場合は、金融機関の融資制度の活用を検討してみると良いでしょう。
融資制度は、金融機関からお金を借り入れるのが特徴で一次的に足りない資金をカバーできます。ただし融資はあくまで借り入れなので、利益を出した分は返済しなければなりません。
店舗開業におすすめの融資制度は、日本政策金融公庫の新創業融資制度です。新創業融資制度は無担保、無保証人での借り入れが可能で、店舗開業が初めての方でも審査に通過すれば利用できます。
ただし新創業融資制度を利用する際は、審査通過に必要な最低限の自己資金の確保や事業計画書などが必要です。
助成金や補助金などの利用も検討してみる
開業資金が足りない場合は、助成金や補助金などの利用も検討してみると良いでしょう。助成金や補助金などは、原則的に返済不要なのがメリットです。ただし返済がない分税金が発生するため、ある程度の資金を確保する必要があります。
助成金と補助金の特徴について下記にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
制度 |
特徴 |
---|---|
助成金 |
|
補助金 |
|
店舗開業には資格が必要
店舗開業には、開業に必要な資格を取得しなければなりません。もし無許可で営業を実施した場合は、罰金や営業停止などの罰則を受ける可能性があります。
許認可は業種によって取得する資格が異なります。例えば飲食店であれば食品衛生責任者、防火管理者、美容サロンであれば美容師免許や管理美容師免許などの資格が代表的です。
さらに夜の営業を実施する際は、警察署に酒類提供飲食店営業届を提出する必要があります。
このように業種によって取得するべき資格が異なるので、事前に把握しておくことが大切です。
店舗開業には約1年かかる
規模によって異なりますが、店舗開業には約1年の時間を要します。お店のコンセプト作りや事業計画の立案、物件の確保、内装工事、備品の調達など、店舗開業に向けてさまざまな準備を進めなければなりません。
開店後にスムーズに営業ができるよう、焦らず時間をかけながら開業に向けた準備を進めましょう。
【開業12ヶ月前】店舗のコンセプト決め
【開業11ヶ月前】事業計画の立案
【開業8ヶ月前】物件探し
【開業5ヶ月前】資金調達
【開業4ヶ月前】内装工事
【開業2~1ヶ月前】備品調達やメニュー開発
【開業3週間前】手続きとスタッフの募集
【開業2週間前】店舗の宣伝
【開業1週間前】プレオープン
店舗開業の流れとポイント
店舗開業をするにあたって、「何から始めれば良いのか分からない」と迷っている方もいることでしょう。ここからは店舗開業の流れとポイントを紹介します。
1. 業種とコンセプトの決定
まずはどのような店舗を開くのか、業種や事業内容を決めなければなりません。その際に店舗の特徴や規模、予算、人員など具体的な経営計画を練るのが望ましいです。具体的な経営計画を練ることで、後々の事業計画書の作成がスムーズになります。
もしうまくコンセプトがまとまらない場合は、1度リスト化してみるのがおすすめです。リスト化してどのような店舗にしたいのか整理しましょう。
具体例を下記にまとめたので、コンセプト決めの参考にしてみてください。
【駅近くの商店街にカレー屋を開業する場合】
- どんなカレー屋にしたい?:インドカレー
- インドカレーを提供する理由:顧客にインドカレーの魅力を知ってもらいたい
- 開業場所:駅近の商店街
- 狙っている顧客層:カレー好き、ファミリー層など
- どれくらいの規模:20人程度が入れる小規模店舗
- どれくらいのスタッフで営業する?:約4~6人
2. 開店場所周辺の市場調査
店舗のコンセプトが明確になったら、開業場所周辺の市場調査や商圏リサーチなどを実施しましょう。エリア周辺の同業種の店舗リサーチは、開業後の店舗発展には欠かせません。経営状況はもちろんのこと、メニューの展開や接客対応、評判など店舗経営で成功するヒントを探しましょう。
さらに、店舗に訪れる客層のリサーチも必要です。どのような顧客層が来店しているのか、しっかり分析しましょう。
3. 店舗の物件探し
開店場所周辺の市場調査が済んだら、出店場所を探しましょう。物件選びをする際は、立地や家賃、物件の規模、人通りなど細かくチェックすることが重要です。
物件選びで失敗してしまうと、思った以上に家賃がかかってしまったり、人通りの少ない通りで開業した結果顧客が集まりにくくなったりというようなことが起こる可能性があります。
このような失敗を防ぐためにも、物件選びにはこだわりましょう。物件探しをする際は、いくつか候補を複数決めるのがおすすめです。また少しでも物件選びのコストを削減したい場合は、居抜き物件を選択肢に入れてみるのも良いかもしれません。
4. 開店に必要な資金調達
店舗開業には、不動産取得資金や工事費、運転資金などさまざまな資金が必要です。少ない資金で開業が可能であれば自己資金でも十分ですが、難しい場合は融資や助成金、補助金などの利用も検討した方が良いでしょう。
もし低コストでの資金でカバーしたい場合は、居抜き物件を選んでみたり、家賃が低めの物件を選んでみたりするのも良いでしょう。
必要な資金を集めて、開業に向けて準備を進めましょう。
5. 事業計画書の作成
資金調達が済んだら、事業計画書を作成しましょう。事業作成書とは事業の概要や収益見込み、今後のビジョンなど具体的な事業プランを示す書類のことです。ビジネスパートナーへのプレゼンや融資などのさまざまなシーンに必要で、具体的な事業プランを提示することでビジネスへの協力を促しやすくなります。
事業計画書を作成する際は、分かりやすく簡潔な内容で詳細を記載するのがポイントです。もし言葉での表現が難しい場合は、グラフや図、イラストなどを活用してみましょう。
事業計画書に記載する項目は以下の通りです。
- 事業者のプロフィール
- 店舗のビジョンと理念、経営目的
- 店舗の事業内容
- 財務計画
- 店舗のサービスや商品の強み、特徴
- 同業者の市場環境や競合店舗の存在
- マーケティング戦略
- 体制や人員配置
- 商品またはメニューの生産方法や仕入先など
- 売上、利益に関する計画
6. お店に必要な資格の取得
店舗の内装工事に入る前に、必要な資格を取得しましょう。業種によって取得する資格内容が異なるため事前に調べた上で、資格を取る必要があります。
さらに保健所への営業許可申請は、工事が始まる前に店舗の図面を携帯して保健所に相談しましょう。改装工事前に相談する理由は、物件によって工事の許可が認められないことがあるためです。もし工事を始めてから申請手続きをしてしまうと、思わぬトラブルが発生する可能性があります。
このようなトラブルを防ぐためにも、改装工事をしても問題がないか事前に保健所に相談しましょう。
7. 内装と外装工事の施行
資格の申請が済んだら、内装と外装工事に取り掛かりましょう。DIYに慣れている方であれば自力で工事を進められるかもしれませんが、難しい場合はリフォーム専門の業者に依頼するのがおすすめです。
内装のみの工事であれば内装業者で十分ですが、外観にも力を入れたい場合は工務店に依頼した方が良いでしょう。
8. オープンに向けた準備
店舗の工事が済んだら、オープンに向けて準備を進めます。店舗営業に必要な備品調達はもちろんのこと、材料の仕入れやメニュー開発、スタッフ募集、集客なども必要です。
準備不足に陥らないためには、事前に必要なことをリスト化して整理してみると良いでしょう。
9. 税務署への開業届の提出
店舗の準備が落ち着いてきたら、税務署に開業届を提出しましょう。可能であれば、開業から1ヶ月以内に提出するのが望ましいです。
開業手続きを提出する際、確定申告に提出する白色申告と青色申告のいずれかを選択できます。白色申告でも良いですが、節税対策をしたい場合は青色申告がおすすめです。
ただし青色申告をした場合は帳簿付けが義務付けられているので、申請に不慣れな方は手間取ってしまうかもしれません。専用の会計ソフトを活用すれば、スムーズに申請書類の作成が進められるので活用してみてください。
10. プレオープン
開店準備が整ったら、期間を決めてプレオープンをしましょう。プレオープンをする理由は、店舗経営がスムーズに進められるかどうか確かめられるためです。この期間を設けることで、備品不足によるサービス提供の遅れやスタッフの業務対応の問題点などが把握できます。
プレオープンを通して問題点を探り、開業前に解決できるようにしましょう。
11. 開店
プレオープンでの反省点を解決した上で、いよいよ開店です。開店当初は、不慣れな業務で戸惑ってしまうシーンがあるかもしれません。しかし業務での試行錯誤を凝らすことで、徐々に顧客に納得してもらえるサービス提供ができるようになります。
店舗開業後も定期的に業務の見直しを実施し、顧客満足度の高い店舗にしましょう。
店舗経営を維持させるためのポイント
手間暇かけて開業したのですから、できるだけ長くお店を継続させたいはずです。しかし長期間にわたって店舗を維持するためには、工夫を凝らさなければなりません。具体的にどのようなポイントを押さえるべきなのか、1つずつ見ていきましょう。
新しい商品やメニューを開発し続ける
店舗経営を維持させるためには、新しい商品やメニューを開発し続けることが必要です。お店自慢の変わらぬメニューや商品を提供することも重要ですが、ずっと同じものばかりでは顧客によっては飽きてしまう方もいます。
顧客に飽きることなく来店してもらうようにするためにも、新しい商品やメニューなどを開発し好奇心をくすぐりましょう。
集客に力を入れる
店舗を維持させるためには、集客が欠かせません。人通りの多い店舗であれば通行人に認知されやすいですが、人が全く通らないスポットだと無策で顧客を集めるのは難しいでしょう。
少しでも多くの人に店舗の存在を知ってもらうためには、ホームページやSNS、看板、広告、チラシなどで集客する必要があります。さまざまな施策を実施し、多くの人に店舗の魅力をPRしましょう。
リピーターを獲得する
新規顧客の獲得も重要ですが、リピーターの存在も店舗経営には欠かせません。実際にビジネス論で有名な「パレートの法則」では、売上の8割はリピーターが占めているとも言われており、リピーターの人数が多ければ多いほど集客のコスト削減や売上アップなどさまざまなメリットが得られやすくなります。
リピーターを増やして、安定的な店舗経営を目指しましょう。
業務を見直し業務効率化を図る
店舗経営を維持するためには、業務効率化にも力を入れなければなりません。非効率な業務が続いてしまうと、生産性低下による質の低いサービス提供や無駄な人員コストの発生、ミスなどさまざまなトラブルが生じやすくなります。
質の高いサービス提供をするためには、定期的な業務の見直しが欠かせません。生産性向上の妨げとなっている要因を早期に見つけ出し、業務効率化につながる解決策を模索しましょう。
業務効率化を図る際には、ECRSの原則を活用するのがおすすめです。ECRSの原則とは「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(順序入れ替え)」「Simplify(簡素化)」の頭文字を取った業務効率化につながるフレームワークのことで、これを用いることで現状の業務の問題を明確にして、改善や生産性アップにつなげやすくなります。
もし業務効率化で苦戦している場合は、ECRSの原則を活用してみてください。
Eliminate(排除) |
無駄な業務の削減 |
Combine(統合) |
似たような業務同士の結合 |
Rearrange(順序入れ替え) |
業務の順番の入れ替え |
Simplify(簡素化) |
複雑な業務の簡素化 |
イベントを開催する
多くの人に店舗に対する興味関心を持たせるためには、イベントの開催がおすすめです。例えば飲食店であればお店の看板メニューを使ったパーティーを開催してみたり、アパレルブランドであればファッションショーを企画してみたりというようにイベントを組むことで、顧客から注目されやすくなります。
顧客も体験できる参加型であれば、店舗に対する興味を抱きやすくなるでしょう。
キャッシュレスシステムを導入する
店舗経営を維持させるためには、顧客の利便性を高めることも重要です。そのために有効なのがキャッシュレスシステムの導入です。支払い方法が現金のみになってしまうと、顧客は不便さを感じやすくなってしまいます。
幅広い顧客層に店舗を利用してもらうためにも、クレジットカード決済や電子マネー決済などさまざまな決済方法に対応できるようにしましょう。
キャッシュレスシステムの導入なら独自Pay発行サービス「Value Card」【PR】
店舗のキャッシュレス化なら、独自ペイ発行サービス「Value Card」がおすすめです。「Value Card」はバリューデザインが提供する総合型キャッシュレス支援サービスで、顧客は会員になることでレジでの決済がスムーズになります。専用のプリペイドカードでスキャンするだけなので、スピーディーなレジ対応が実現できるでしょう。
さらに、店舗独自の会員ランク制度が設けられているのもポイントです。ランク制度を設けることで、利用頻度に応じてインセンティブ率が変動するのでさらなるロイヤルカスタマーの育成にもつながりやすくなります。
ポイントが貯まる仕組みも設けられているので、さらなる顧客の利用頻度向上も期待できるでしょう。
「Value Card」について興味がある方は、ぜひ導入を検討してみてください。
店舗を開業し繁盛させよう
本記事では、店舗開業の手順について解説しました。店舗開業を成功させるためには、綿密な事業計画を立てた上で準備を進めることが重要です。さらに開業後に倒産しないようにするためにも、メニュー開発、集客、キャッシュレス化などさまざまな工夫を凝らすことが大切です。これから店舗開業を検討している方は、ぜひ紹介した手順を参考に開業の準備を進めてみてください。