
店舗向けの決済サービスの選び方 キャッシュレス決済導入のメリットやポイントを解説
決済サービス(決済代行システム)とは、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済などの決済方法において、サービス提供会社と事業者の間に立って代行してくれるサービスを指します。本記事では、事業者が決済サービスを利用するメリットや各決済方法の特徴、導入時のポイントなどを解説します。
目次[非表示]
- 1.そもそも決済サービス(決済代行システム)とは?
- 2.スマホ決済(モバイル決済)が注目されている背景
- 3.スマホ決済に対応している決済方法の種類
- 3.1.クレジットカード決済
- 3.1.1.決済のやり方
- 3.2.電子マネー決済・交通系ICカード決済
- 3.2.1.決済のやり方
- 3.3.QRコード決済・アプリ決済
- 3.3.1.決済のやり方
- 3.4.キャリア決済
- 3.4.1.決済のやり方
- 4.キャッシュレス決済の利用率
- 5.キャッシュレス決済の導入メリット
- 6.キャッシュレス決済はインバウンド対策としても効果的
- 7.店舗でキャッシュレス決済サービスを導入する方法
- 7.1.イベント・移動販売車などで利用する場合
- 7.2.カフェ・美容院などで利用する場合
- 7.3.レジ業務をスピーディにしたい場合
- 8.店舗向けの決済サービスの選び方
- 9.キャッシュレス決済サービスの導入をお考えなら、「Value Card」
- 10.まとめ
そもそも決済サービス(決済代行システム)とは?
決済サービス(決済代行システム)とは、電子マネー・クレジットカード・QRコード決済などの決済方法において、サービス提供会社と事業者の間に立つ代行サービスのことです。
決済サービスを利用することで、事業者は最小限の手続きでクレジットカードや電子マネー等の多彩な決済手段を導入したり、売上管理を行ったりすることができます。
例えばクレジットカード決済を店舗に導入する際、本来であれば事業者が各クレジットカードサービス提供会社に申し込みをしなければなりません。
しかし決済サービスを利用することで、その都度サービス提供会社と契約を結ぶ必要がなくなり、決済・売上・会計管理がしやすくなります。
また、入金日も統一され、セキュリティ対策も施してくれることから、キャッシュフローやセキュリティの面においても大きなメリットがあると言えるでしょう。
スマホ決済(モバイル決済)が注目されている背景
スマホ決済(モバイル決済)は日本でも急速に普及しており、その動向が注目されています。
日本においてスマホ決済が特に注目されるようになったのは、コロナ禍以降です。
現金に直接触れることなく、支払いができるためコロナ禍において重要な決済手段となりました。
他にも、スマホ決済が注目される理由として以下のようなポイントが挙げられます。
- 人手不足の解消と生産性向上
- 現金決済のインフラコスト軽減
- インバウンド対策
特に近年はコロナ禍も収束し、インバウンド需要も以前の状態に戻りつつあります。
その中でインバウンド対策や人手不足の中でも生産性を向上させる対策として、今後も広がりを見せるでしょう。
スマホ決済に対応している決済方法の種類
スマホ決済ができる決済方法には、以下の種類があります。
- クレジットカード決済
- 電子マネー決済・交通系ICカード決済
- QRコード決済・アプリ決済
- キャリア決済
それぞれのやり方とともに紹介します。
クレジットカード決済
多くの方が持っているクレジットカードは、スマートフォンと連携することでスマホ決済でもクレジットカード払いができます。
iPhoneならApple Pay、AndroidならGoogleウォレットなどのアプリでクレジットカードと紐づけ可能です。
クレジットカードの手数料は、カード会社にもよりますが3%前後で、スマホ決済でクレジットカードを利用した場合でも、手数料に違いはありません。
またクレジットカード利用時に独自のポイントが貯まるため、消費者にとっては日常的な買い物でも利用しやすいでしょう。
クレジットカード決済は世界的にも広く利用されているため、インバウンド対策としても有効です。
決済のやり方
クレジットカード決済の方法は、店頭で支払い方法を伝えてスマホを決済端末にかざすだけです。
通常のクレジットカード決済とは違い、カードリーダーに通したり暗証番号を入力したりする必要はありません。
店頭で使用する際は「iD」「クイックペイ」などのアプリ名を伝えましょう。
クレジットカードとアプリを連携させる方法は、以下のとおりです。
■iPhoneの場合
- Walletアプリを起動
- Wallet画面の「+」マークをタップ
- 説明文を確認して「続ける」をタップ
- カードの種類で「クレジット/プリペイドカード」を選択
- カードを追加の画面でカード番号とセキュリティコードを入力
- 規約を確認して同意する
■Androidの場合
- Googleウォレットアプリを起動
- 画面下の「支払い」をタップ
- 「+お支払い方法」をタップ
- 「クレジット/デビット/プリペイド」をタップ
- カード情報を入力する(カメラでの読み込みも可)
電子マネー決済・交通系ICカード決済
スマホ決済の電子マネー・交通系ICカード決済は、ICチップを利用するNFC決済が主流です。
スマートフォン内部にICチップが内蔵されており、電子マネーや交通系ICカードのチャージも可能です。
現在、多くの交通系ICカードや電子マネーでスマホ決済を利用できますが、代表的なものとしては、以下のサービスが挙げられます。
- Suica
- PASMO
- nanaco
- 楽天Edy
この他にもさまざまな電子マネー・交通系ICカードに対応しており、スマホ1台でどんな支払いもできるようになっています。
また、支払いの便利さ以外にもメリットがあります。
- 独自のポイントが付与される
- 手数料が無料または安い
- 個人間送金や会計の割り勘が可能
スマホでの電子マネー・交通系ICカードに対応していない店舗も一定数ありますが、利便性の高い決済方法といえるでしょう。
決済のやり方
電子マネー・交通系ICカード決済には、3つの支払い方法があります。
- 前払い(プリペイド、チャージ方式)
- 即時支払い(リアルタイムペイメント)
- 後払い(ポストペイ)
それぞれ電子マネー・交通系ICカードの種類によって、違いがある点に注意しましょう。
まずスマホ決済で電子マネー・交通系ICカードを利用する場合、セキュリティ対策をしておくことが非常に重要です。
スマホを紛失しても簡単には悪用できないように、指紋認証や顔認証などのセキュリティ対策を施しておく必要があります。
次に使用する電子マネー・交通系ICカードに応じて、アプリをインストールします。
アプリで支払い方法、銀行口座との紐づけ、本人確認などを行えば利用可能です。
決済方法もクレジットカードと同じく、決済端末にスマホをかざすだけで決済できます。
QRコード決済・アプリ決済
QRコード決済・アプリ決済は、アプリに表示されるバーコード等を利用し、レジで読み取ることで支払いできる方法です。
日本で有名なQRコード決済・アプリ決済サービスは次のものです。
- PayPay
- 楽天Pay
- メルペイ
- d払い
QRコードの表示や読み取りにはインターネット通信が必要になるため、インターネットに接続できない場所では利用ができないことがある点には注意しましょう。
決済のやり方
QRコード決済・スマホ決済の支払い方法には、ユーザースキャン方式とストアスキャン方式の2種類があります。
■ユーザースキャン方式の手順
- スマホの決済アプリを起動する
- 店員が表示したQRコードを読み取る
- 利用者が利用金額を入力する
- 店側は入力金額に間違いがないことを確認する
- 決済アプリで支払いを完了する
■ストアスキャン方式の手順
- スマホの決済アプリを起動する
- QRコードが表示されたら提示する
- 決済端末でコードを読み取る
キャリア決済
キャリア決済とは、docomo・au・Softbankの3大キャリアや格安SIM会社が提供している決済サービスです。
キャリア決済を利用すると、携帯電話料金に合算される形で代金を支払うことで買い物ができるため、支払にクレジットカード決済や電子マネー、QRコード決済のようにアプリやクレジットカード情報は必要ありません。
カード情報や口座情報をスマホに入力するのが不安な場合は、キャリア決済なら信頼性が高いでしょう。
ただしキャリア決済には毎月の利用上限額があるため、高額商品の買い物には不向きです。
決済のやり方
キャリア決済のやり方は次の通りです。
- キャリアのユーザーページにログインする
- 4桁の暗証番号を入力する
利用中のキャリアによって手順は違いますが、ログインして4桁の暗証番号を入力するという流れはどこでも同じです。
また、手数料が5~10%と高めに設定されているため、使い過ぎには注意しましょう。
キャッシュレス決済の利用率
日本の決済において、キャッシュレス決済の利用率は年々増加しています。
経済産業省の調査結果によると、キャッシュレス決済比率は2018年から2023年にかけて15.2%も上昇しており、2023年の支払い全体におけるキャッシュレス決済比率は39.3%(約126兆7,000億円)となっています。
それぞれの内訳は以下のとおりです。
決済の種類 |
割合 |
金額 |
クレジットカード |
83.5% |
105兆7,000億円 |
デビットカード |
2.9% |
3兆7,000億円 |
電子マネー |
5.1% |
6兆4,000億円 |
コード決済 |
8.6% |
10兆9,000億円 |
キャッシュレス決済の中でも大部分はクレジットカードとなっており、次いでコード決済、電子マネーと続いています。
政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にすることを目標に掲げていますが、現在のペースなら目標達成となる見込みは十分にあると言えるでしょう。
今後も利便性の高いキャッシュレス決済の利用者が増え、半数近くをキャッシュレスで行う未来も予測できます。
参考:経済産業省 「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
キャッシュレス決済の導入メリット
自店舗にキャッシュレス決済を導入すると、事業者にはさまざまなメリットがあります。
- レジ業務の簡便化
- 売上管理を一元化可能
- 現金の盗難防止
- 新規顧客の獲得
- 客単価の向上
- 感染症対策
- 会計時間の短縮
事業者にとっての大きなメリットは、レジ業務が効率化できるため人手不足の解消につながる点です。
キャッシュレス決済を利用すると、現金決済と比較し1会計あたり10秒以上時間が短縮できるというデータもあります。
また、現金決済に比べてレジ締め作業がスムーズになることで、レジ業務の効率化を実現できます。また、売上情報がデータ化されているため客単価や商品ごとの販売データ等を簡単に取得でき、改善に役立てることができます。
他にも、キャッシュレス決済は若い世代や海外旅行客が利用することが多いため、新規顧客獲得も期待できます。
キャッシュレス決済はインバウンド対策としても効果的
インバウンドの高まりとキャッシュレス決済増加には明らかな相関関係が見られます。
日本では貨幣の偽造が難しく、貨幣の信頼性が高いことから現在でも現金決済が主流派ですが、海外ではキャッシュレス決済比率のほうが圧倒的に高いからです。
そのため、世界的にキャッシュレス決済の流れが強まっています。
下記は「キャッシュレス・ロードマップ2023」における世界主要国のキャッシュレス決済比率です。
国 |
キャッシュレス決済比率 |
韓国 |
95.3% |
中国 |
83.8% |
オーストラリア |
72.8% |
イギリス |
65.1% |
シンガポール |
63.8% |
カナダ |
63.6% |
アメリカ |
53.2% |
フランス |
50.4% |
スウェーデン |
46.6% |
日本 |
32.5% |
海外では支払い時にキャッシュレス決済を使用することが多く、キャッシュレス決済の導入によりインバウンド対策として高い効果を発揮することが期待できます。
参考:PAYMENTS JAPAN 「キャッシュレス・ロードマップ2023」
店舗でキャッシュレス決済サービスを導入する方法
店舗でキャッシュレス決済サービスを導入するにあたって、おすすめのキャッシュレス決済の選び方を3つのケースに分けて紹介します。
- イベント・移動販売車などで利用する場合
- カフェ・美容院などで利用する場合
- レジ業務をスピーディにしたい場合
イベント・移動販売車などで利用する場合
外でのイベントや移動販売車で商品を販売する場合、モバイル型のキャッシュレス決済端末を導入するのがおすすめです。
据え置き型はインターネットや電源の有線接続が必要となりますが、モバイル型であれば充電して持ち運びながら利用でき、インターネットに接続できる環境さえあれば、どこでもクレジットカードや電子マネー、QRコード等の決済を利用することが可能です。
モバイル型の決済端末で重視すべき点は以下のとおりです。
- バッテリーはどのくらいもつのか
- 最新のWi-Fi・Bluetoothに対応しているか
- 決済はスムーズか
- 複数の決済方法に対応しているか
これらのポイントを押さえたうえで、最も利用しやすいサービスを導入しましょう。
カフェ・美容院などで利用する場合
カフェや美容院など、店内の雰囲気を重視する場所では、決済端末も雰囲気に合ったデザインのものを選ぶと良いでしょう。
一般的な決済端末は白・赤・黒など、原色に近い色がほとんどですが、端末自体に厚みがあるものも多く、端末の存在感が浮いてしまいます。
しかし、中に中には乳白色や淡色系の端末も販売されています。
また、色だけではなく例えば薄型や小型といった特徴をもつ決済端末や、周囲の雰囲気に溶け込みやすいスタンド型の決済端末もおすすめです。
小型や薄型のものなら店内の雰囲気を壊さず、スタンド型であれば美容室や雑貨店など、モダンな雰囲気を重視したい店舗にもマッチしやすいと言えます。
このように雰囲気やコンセプトを重視する店舗では、デザイン性と機能性の両面を意識してサービスを選ぶと良いでしょう。
レジ業務をスピーディにしたい場合
レジが混みやすい店舗、少人数で運営している店舗などでは、レジ業務をいかに効率化し、混雑の解消につなげるかが重要なポイントです。
キャッシュレス決済の方法にもよりますが、キャッシュレス決済は最短8秒で決済できます。現金決済は平均28秒かかるため、大幅な時間短縮となります。
せっかくキャッシュレス決済端末を導入しても、決済処理スピードが遅ければレジ業務の効率化にはつながりません。
そのため、決済スピードが速い端末を提供している決済代行会社選びが重要です。
支払い1件あたりの時間を短縮できれば、1日の生産性は大幅に向上するでしょう。
店舗向けの決済サービスの選び方
店舗向けに決済サービスを選ぶなら、次のポイントを比較検討すると良いでしょう。
- 入金スピード
- 決済手数料
- 初期費用とランニングコスト
- 導入までの時間
- 決済以外の機能
最初に確認すべき点は入金スピードです。
キャッシュレス決済を導入しても、入金が1か月、2か月先ではその間はキャッシュフローに大きな影響を与えます。
そのため、入金の早いサービス選びは最重要ポイントです。
次に決済手数料や初期費用、毎月のランニングコストなど、検討にあたって重要なポイントについて確認が必要です。
キャッシュレス決済サービスの導入をお考えなら、「Value Card」
「Value Card」は、株式会社バリューデザインが主にスーパーマーケットや飲食店などに向けて展開する独自Pay(ハウス電子マネー)です。キャッシュレス決済が進む昨今、店舗運営のためには商品の販売時に現金を受け取ることによる、キャッシュフローの改善が欠かせません。
そこで「Value Card」では消費者が購買前にチャージをして使うプリペイド式を採用し、チャージした時点で店舗に現金が入る仕組みになっています。
また、ポイントシステムやデジタルギフト、独自のキャンペーンの設定などで再来店を促せます。「Value Card」は他のキャッシュレス決済に比べて、手数料が低く設定されており、POSレジとの連携もできるため、店舗の負担を最小限にしながら売上管理も実現できます。
まとめ
店舗向けの決済サービスについて、注目されている理由や各決済方法の特徴、決済サービス導入の方法などを解説しました。
キャッシュレス決済は国を挙げて普及が進められており、年々利用率は高まっています。
諸外国ではすでに多くの国がキャッシュレス決済が主流の決済手段となっており、日本においても今後ますます重要性が高まっていくでしょう。
またインバウンド対策や業務効率化などの観点からも、キャッシュレス決済は有効な施策です。
自店舗に最適なキャッシュレス決済サービスを選択し、新規顧客獲得と利益アップを促進しましょう。