顧客ターゲットの決め方とは?ポイントやターゲットマーケティングの進め方を解説!
マーケティング戦略のひとつに「顧客ターゲットの設定」があります。本記事では顧客ターゲットの決め方や決める際のポイント、またターゲットマーケティングの進め方について説明します。
目次[非表示]
- 1.顧客ターゲットを決める必要性とは?
- 2.顧客ターゲットの決め方・分け方
- 3.顧客ターゲットを決める際のポイント
- 4.顧客のターゲットマーケティングとは?
- 5.ターゲットマーケティングに必要なSTP分析とは
- 5.1.S(セグメンテーション)
- 5.2.T(ターゲティング)
- 5.3.P(ポジショニング)
- 6.ターゲットマーケティングの進め方
- 7.顧客ターゲットのペルソナ設定における注意点
- 8.顧客のターゲットマーケティングの成功事例
- 9.店舗営業の課題を解決するなら顧客データを溜めて活用できるキャッシュレスサービス独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」
- 10.顧客ターゲットを決めて効率よく効果的にマーケティングを行おう
顧客ターゲットを決める必要性とは?
なぜ、顧客ターゲットを決めなければいけないのでしょうか。
以前は幅広い客層・ニーズを取り込むマーケティングが一般的でしたが、現在はモノやサービスで溢れかえっており、競争も激化しています。厳しい競争の中で自社の商品やサービスを選んでもらうためには、ターゲットとなる客層を絞り込む必要があります。ターゲットを絞り込むメリットは、以下の通りです。
- 品揃え、接客、お店の内外装、販売促進といったマーケティング戦略が立てやすい
- 自社商品・サービスの特徴が明確になり、アピールすべき点がつかめ、マーケティングに活かせる
- 顧客ターゲットのニーズに合った商品・サービス開発ができる
- 業務効率アップ、コスト削減につながる
- 顧客に自社商品・サービスを選んでもらいやすくなる
顧客ターゲットを決めることは顧客ニーズを知ることにつながります。ターゲットとなる顧客のニーズを知ることで、マーケティング戦略を考えやすくなり、収益アップにつながるのです。
顧客ターゲットの決め方・分け方
顧客ターゲットを決めるにはまず、顧客を分類する必要があります。自社の顧客はどのような人物が多いのか、どのような特徴があるのかを把握します。
分類の仕方は主に3つあり、これらを組み合わせて考えていきます。
①顧客の属性で分ける
年齢・性別・職業・家族構成・所得などで分けます。
②顧客の地域で分ける
顧客の居住地域や、その地域の気候・規模などで分けます。
③顧客の心理・行動の特徴から分ける
顧客の心理的特徴や行動的特徴から分けます。たとえば商品を購入する際に重要視するものや新商品に対する反応、商品を選ぶときの時間のかけ方、商品購入頻度(サービス利用頻度)などです。
上記のように分類し分析すると、自社の商品・サービスを購入、利用している顧客にどのような特徴があるのかが分かります。さらに、判明した顧客の特徴からターゲットを絞り込む作業を行うことで、ターゲット像を明確化できます。
顧客ターゲットを決める際のポイント
顧客ターゲットを決める際にはターゲットの絞り込みを行いますが、ターゲットに合わない顧客をふるいにかけるとも言い換えられます。振るいにかけ、ターゲットを絞りこむことで、収益アップにつながりやすくなるため、勇気をもって実施しましょう。
また、ターゲットの幅を狭めることもポイントです。ターゲットゾーンが広すぎると、顧客ターゲットを決めた意味がなくなります。ターゲットの幅を狭めれば反応率(レスポンス)が上がるというメリットがあるため、顧客ターゲットを決めるときにはどのくらいの「幅」に設定するのかも意識してください。
顧客ターゲット設定でよくある失敗例
顧客ターゲットを絞り込んでいない商品やサービスは、顧客が「商品を見つけにくい」「自分に合った商品であるか判断がつかない」という不満をもつ可能性が高くなります。
これは企業側にとっても、商品・サービスの自社独自の強みがない、競合他社との差別化ができていないということになります。その結果、利益を削って安売りでさばくしか手段がなくなる、製造コストやマーケティングコストを削るために原材料やサービスの品質を下げる、ということになりかねません。このようなことになれば、当然評判は悪くなります。顧客ターゲット設定をしていなければ「売れない、利用されない」という負のスパイラルに陥ってしまうのです。
顧客のターゲットマーケティングとは?
ターゲットマーケティングとは、細分化した市場の中から特定の顧客層を絞り込んでマーケティングを行うことを意味します。いわば企業側が「顧客を選ぶ」マーケティング手法です。不特定多数の消費者を対象に行う「マスマーケティング」の対義語にあたります。
ターゲットマーケティングは、消費者、企業側ともにメリットがあるのが特徴です。消費者にとってはニーズに近い商品が見つかりやすくなり、企業にとっては購買見込みの高い顧客とつながりやすくなります。
ターゲットマーケティングに必要なSTP分析とは
STP分析は、ターゲットマーケティングに必要なターゲット設定をするために用いるフレームワークのひとつです。「セグメンテーション(市場細分化)」「ターゲティング(狙う市場の決定)」「ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)」の3つの英単語の頭文字をとって名付けられた分析手法で、 マーケティング論で知られるフィリップ・コトラーが提唱しました。
STP分析の大まかな流れは、市場の全体像を把握するために「セグメンテーション」を行い、全体像の中から狙うべき市場を「ターゲティング」で決定、競合他社との位置関係を「ポジショニング」で決めていきます。
それぞれを詳しく解説していきましょう。
S(セグメンテーション)
セグメンテーションを訳すと「細分化」という意味になります。STP分析では、多くの顧客の中から属性や行動などによって顧客を分類し、分類された顧客グループそれぞれが全体のどのくらいの割合を占めるのかを算出します。
分類する際には、以下の4種類のセグメント、あるいは組み合わせで顧客を分けていきます。セグメンテーションを行うことにより、ある程度の見込み客を大別できます。
- デモグラフィック変数:年齢、性別、収入、職業、学歴、結婚歴、家族など
- ジオグラフィック変数:国、人口、最寄駅、市区町村エリアなど
- サイコグラフィック変数:性格、ライフスタイル、価値観、趣味、好きなメディアなど
- 行動変数:利用頻度、重視するベネフィット(満足するポイント)、購買意思決定権者など
セグメンテーションはSTP分析の土台となる重要なセクションです。設定を適切に行いましょう。
T(ターゲティング)
ターゲティングでは、セグメンテーションで分類した顧客グループの中から、どのグループに商品・サービスを販売すると利益効率が向上するかを考えて、顧客ターゲットを絞り込んでいきます。
ターゲティングのポイントは、自社商品の特性と各グループの特性を照合し、最もニーズが高いグループを見極めることです。また一度やったら終わりではなく、顧客の反応を見ながら適宜ターゲティングを行うと、思わぬ顧客のニーズを見つけ出すことができるケースもあります。
P(ポジショニング)
ポジショニングは、市場の中で自社がどの位置にいるのか「立ち位置」を決める役割があります。ターゲティングで絞り込んだ顧客を分析して、自社商品の強みや魅力、価値を顧客視点で考えていきます。
具体的には、ポジショニングマップを作成します。ポジショニングマップの軸には、次のようなものがあります。
- 価格
- ブランド提供価値:高品質、最先端、高級、おしゃれ、伝統、安心、刺激、穏やか
- 時間帯:朝、昼、夜
- 用途:家庭用、贈答用
- 空間:室内、室外
- 年齢:若年層、高年層
ターゲットマーケティングの進め方
ターゲットマーケティングを進める際には、STP分析に加えてペルソナの設定、マーケティング戦略の立案を行います。
【1】市場を細分化する
STP分析の4つのセグメント軸を参考に、市場特性ごとに細分化して分類します。
【2】ターゲットの決定
自社の商品・サービスの利用・購入を伸ばせる顧客層はどこか、ターゲットを絞っていきます。「3C分析」や「5R」といった手法を使って行いましょう。
「3C分析」では、
- Customer:市場・顧客の規模や成長性、収益性を見極める
- Competitor:競合の規模や数を把握し、自社にどのような優位性がある見極める
- Company:自社の戦略やパワーについて見極める
の3つの視点で、ターゲットを絞ります。
「5R」では、
- Realistic Scale:市場規模の成長性、利益が出る市場か
- Rate of Growth:市場の成長性、今後も成長する市場か、売上が伸びる市場か
- Rank & Ripple Effect:優先順位や波及効果、近接した市場にも売上が望めるかどうか
- Reach:到達の可能性、マーケティング施策の反応
- Rival:競合がいるか、どのような競合がいるか
の5つの視点で、ターゲットを絞っていきます。
【3】ペルソナを設定する
ペルソナとは、ターゲットの中の架空人物のことです。ペルソナを設定することにより、顧客へのアプローチの方向性をより明確化できます。ペルソナの例は、以下の通りです。
- 名前:山田◯男
- 年齢:41歳
- 性別:男性
- 居住地:東京都の郊外(都心まで電車で40分)
- 家族構成:妻(40歳)、長女(4歳)、次女(2歳)
- 仕事:フリーランスでシステムエンジニアをしている
- 趣味:DIY、キャンプ、山登り
【4】自社ポジショニングを決める
ポジショニングマップを作成し、市場における自社のポジションを決めていきます。
【5】マーケティング戦略を立てる
最後にマーケティング戦略を立てるプロセスを行います。マーケティング戦力を立てる手法を使って、自社の商品・サービスを取り巻く環境と現状を把握し、自社の強みの部分で競合他社が行っていないアプローチを導き出します。
顧客ターゲットのペルソナ設定における注意点
ターゲットマーケティングにおいて、STP分析のセグメンテーションだけでは関係者の間で整合性が取れないことがあります。それを回避するためにペルソナ設定を行い、ターゲット像を共有します。設定するときには、以下のことに注意する必要があります。
- 「理想の顧客像」ではなく、商品を買ってくれそうな「典型的な顧客像」を設定すること
- 主観や思い込みではなく、根拠に基づいた設定をする
- ペルソナ設定は定期的に見直して、アップデートすること
上記の注意点を参考にペルソナを設定し、訴求対象を明確にしましょう。
顧客のターゲットマーケティングの成功事例
世界各国に展開するコーヒーチェーン店は、所得が比較的高く都内で働いているビジネスマンをターゲットにして成功しました。ビジネスマンが利用するコーヒーショップは格安のお店であることが一般的でしたが、競合他店よりもやや高めの価格設定で差別化を図ったのが勝因です。出勤前や勤務の合間に利用する人が増え、「クールなカフェ」というイメージが人々の間で定着しました。
店舗営業の課題を解決するなら顧客データを溜めて活用できるキャッシュレスサービス独自Pay「Value Card」「アララ キャッシュレス」
顧客ターゲットを決めるためには、既存顧客がどのような層なのかを理解しておくことも大切です。顧客データを溜め、自店舗の販促に活用できるマーケティング機能も持ったキャッシュレスサービスが独自Payです。
バリューデザインが提供する「Value Card」「アララ キャッシュレス」は、独自Pay(ハウス電子マネー)の発行はもちろん、ポイントやデジタルギフト、販促、各種分析機能など、店舗のキャッシュレス化に必要な機能を標準装備しています。
ターゲット顧客の利用履歴データに基づいてキャンペーンを実施できるため、効果的に売上アップへつなげることも可能です。少し話を聞いてみたい、という方は、お気軽にお問い合わせください。
顧客ターゲットを決めて効率よく効果的にマーケティングを行おう
顧客ターゲットを決めることで、効率よく効果的なマーケティングを行えます。また、自社商品やサービスを消費者に見つけてもらいやすくなるのもメリットです。売上が伸び悩んでいるという場合には、顧客ターゲットの見直しをしてみると良いでしょう。