ターゲットマーケティングとは?基本知識やメリット、成功する進め方を解説!
マーケットの動向にあわせたより効果的なマーケティングが求められるなか、注目されるのが「ターゲットマーティング」です。ターゲットマーティングとはどのようなもので、どのようなメリットや役割があるのでしょうか。ペルソナの設定やSTP分析を用いたターゲットマーケティングの進め方や成功のポイントを、事例とあわせて解説します。
目次[非表示]
- 1.ターゲットマーケティングとは?
- 2.ターゲットマーケティングの役割
- 3.ターゲットマーケティングのメリット
- 3.1.メリット①競合優位性を構築できる
- 3.2.メリット②費用対効果を最大化できる
- 3.3.メリット③ロイヤルカスタマーを獲得できる
- 4.STP分析について
- 4.1.S:セグメンテーション
- 4.2.T:ターゲティング
- 4.3.P:ポジショニング
- 5.ペルソナについて
- 6.STP分析を用いたターゲットマーケティングの進め方
- 6.1.進め方①市場を細分化する
- 6.2.進め方②ターゲットを決める
- 6.3.進め方③ペルソナを設定する
- 6.4.進め方④自社のポジショニングを決める
- 6.5.進め方⑤マーケティング戦略を立てる
- 7.ターゲットマーケティングを成功させるためのポイント
- 7.1.ポイント①「4P」を活用する
- 7.2.ポイント②市場動向を定期的に把握する
- 7.3.ポイント③さまざまなマーケティング手法を試す
- 7.4.ポイント④将来的な価値のある情報発信を行う
- 7.5.⑤魅力的なアイデアで変革(イノベーション)を起こす
- 8.ターゲットマーケティングの成功事例
- 8.1.事例①スターバックスコーヒー
- 8.2.事例②QBハウス
- 9.ターゲットマーケティングに関する相談はバリューデザインの独自Pay
- 10.まとめ:ターゲットマーケティングはこれからの販促の基本
ターゲットマーケティングとは?
インターネットの普及でさまざまな情報が得られるようになったことで人々の価値観やニーズが変わり、ライフスタイルも多様化しています。大量生産・大量消費の時代も終わりつつあります。そのような時代背景もあり、注目されているのが「ターゲットマーケティング」です。ターゲットマーケティングとは、市場のなかで特定の顧客層をターゲットに定め、その層にあった販売促進活動を行っていく、より戦略的なマーケティング手法です。
テレビ、ラジオのCM、新聞広告など、不特定多数の人々を対象にする「マスマーケティング」は、ターゲットを限定せずに、できるだけ多くの人々に自社の商品やサービスを知ってもらうよう働きかけます。このマスマーケティングでは、ターゲットをセグメンテーション(年齢、性別、住んでいる場所などによる区分け)せずに、画一的な訴求を行います。それに対して、ターゲットマーケティングでは、年齢、性別、ライフスタイル、趣味、関心などの条件を絞り込み、より具体的な顧客層をターゲットとして、その層のニーズに合った商品・サービスの販売促進活動を行います。
ターゲットマーケティングの役割
ターゲットマーケティングは、マーケティングを行う上で基本となるものです。マーケティングプロセスでは、まず市場調査を行い、その企業や商品・サービスを取り巻く環境や自社の弱みなどを把握していくことが大切です。そのうえで、自社が抱える課題を整理して戦略の目標を定め、市場や顧客を細分化して、どのような顧客層を狙っていくべきか、自社はどのような立ち位置を目指すべきか戦略を立てていきます。つまり、ターゲットマーケティングを行うことは、マーケティングの重要なプロセスであり、その後の施策などにもつながるのです。
ターゲットマーケティングのメリット
ターゲットマーケティングを行うことで、どのようなメリットや効果が得られるでしょうか。
メリット①競合優位性を構築できる
ターゲットマーケティングでは、ターゲットとする顧客層のライフスタイルや趣味趣向などを細分化して、その条件に合う顧客層にターゲットを絞ってマーケティング活動を行います。そのため「〇〇といえば××」というように、その条件に合った商品・サービスとして広く認知されるようになります。これは、競合と比較して、自社のポジショニングを明確化することにつながります。
マーケティングでは、競合との差別化がとても大切です。不特定多数の人にアピールするマーケティング戦略では、自社の商品・サービスを誰に知ってもらいたいのか、不明瞭になりがちで、競合優位性を高めることは難しくなります。競合優位性を高めるためには、自社の商品・サービスは競合他社と比べてどのような強みがあるのかを明らかにして、優位な点をさらに伸ばしていくことが重要です。そのため、特定の顧客に狙いを定めたターゲットマーケティングを進めていくことで、自社の商品・サービスのメリットがより明確になり、競合優位性を構築しやすくなるのです。
メリット②費用対効果を最大化できる
テレビCMや新聞広告、街頭ポスターなど、「マス(大衆)」に広く訴えるマスマーケティングは、幅広い層にアピールできる利点がありますが、かなりの費用がかかります。例えば、全国紙の1ページを使った広告なら数千万円、テレビCMなら数百万円程度かかることが一般的です。顧客層を絞り込まず、広く多くの人々に認知してもらうためには、それだけの費用がかかってしまいます。
しかし、顧客層を絞り込んだターゲットマーケティングでは、ターゲットとする顧客層を明確化して限定するため、それだけマーケティングにかかるコストを抑えやすくなります。しかも、ターゲットを限定するため、顧客獲得にかかる時間やコストを抑えながら、より効率的にマーケティングできます。結果的に、費用対効果の高いマーケティング活動につながるのです。
メリット③ロイヤルカスタマーを獲得できる
ロイヤルカスタマーとは、その商品・サービスについてよく理解し、愛着をもって繰り返し利用する顧客を指します。企業にとって、ロイヤルカスタマーはとても大切な存在で、ロイヤルカスタマーを増やすことがビジネスの運営では重要です。
ターゲットマーケティングには、そのようなロイヤルカスタマーの獲得につながるというメリットがあります。条件を絞り込み特定の顧客層に訴えかけるターゲットマーケティングが成功すれば、ターゲットとする顧客層にしっかり認知されることになります。「〇〇なら、絶対に××」という具合に認知されれば、他の商品・サービスではなく、自社の商品・サービスを選択してくれる可能性が高まります。つまり、その顧客がロイヤルカスタマーになると期待できるのです。
STP分析について
ターゲットマーケティングでは「STP分析」を行い、市場の全体像を把握して、そこから狙うべき顧客層を決定していきます。STP分析とは、「S(セグメンテーション=市場細分化)」「T(ターゲティング=ターゲットにする顧客層の決定)」「P(ポジショニング=自社の立ち位置の明確化)」の頭文字をとったものです。マーケティング論で知られる、アメリカの経営学者のフィリップ・コトラーが提唱した、マーケティングにおける代表的なフレームワークのひとつです。
STP分析は、市場における顧客やニーズを整理することで「どの市場に、どのような顧客が、どのくらいいるのか」把握できるうえに、自社の強みも明確にできます。またSTP分析を行うことは、ターゲットに即したプロモーション戦略を練る土台となります。
S:セグメンテーション
S(=セグメンテーション)では、事業で注力するターゲットの分類を行います。具体的には以下4種類のセグメントで顧客を分類します。
デモグラフィック(人口統計学的な属性):年齢、職業、可処分所得、家族構成などの要素
ジオグラフィック(地理的):地域や国、さらには最寄駅など居住地などの要素
サイコグラフィック(心理的):性格、ライフスタイル、価値観、趣味などの要素
行動変数:購買行動や利用頻度、商品の選択基準
セグメンテーションを実施することで、潜在顧客の人物像を把握していきます。
T:ターゲティング
T(=ターゲティング)では、セグメンテーションで分類したターゲットから、顧客とブランドの利益を双方向的に向上させる市場と消費者を抽出します。
ターゲティングを実施することで、限られた経営資源を効率的にターゲット層に投下しやすくなります。
マーケティングを行う企業の中には、ターゲティングの実施により、リーチ層が減少することに懸念をもつこともあるでしょう。確かにターゲティングによってリーチ層の母数は小さくなりますが、商品購入までの到達率やリピート率は高まる傾向があり、ロイヤルカスタマーの創出にはターゲティングは欠かせないプロセスです。
P:ポジショニング
P(=ポジショニング)では、市場における自社の立ち位置を決定します。
ポジショニングは他社との競争抜きに、自社が独自性を発揮する市場を獲得することを目的とし、顧客の視点から自社の価値を考えます。
ポジショニングを定めるには、ポジショニングマップを作成し自社の立ち位置を検討します。価格、ブランド提供価値、時間帯、用途、空間、年齢などによってマッピングを行います。
ポジショニングは差別化戦略と混同されることがありますが、差別化戦略は他社との競争と比較を前提としているため本質的に異なります。
ペルソナについて
ターゲットマーケティングを進めるうえで、「ペルソナ」という言葉もよく出てきます。ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する架空の人物像のことです。マーケティング戦略を考えるとき、ターゲットが不明瞭なまま進めるよりも、具体的な人物像が設定されていた方がわかりやすいため、ペルソナで自社の顧客がどのような人物像か設定しておく手法が用いられます。
ペルソナを設定するメリットとして、ターゲットをより具現化することによって、そのニーズをより詳細に考えることができるのです。
ちなみに、ターゲットは「性別、年齢、興味関心、ライフスタイル」などの大枠の条件で設定した顧客層を指しますが、ペルソナは「性別、年齢、家族構成、年収、居住地」など、さらに細かく人物像を決め、まるで存在する人物がいるように設定します。ターゲットの中に含まれる1人の人物が、ペルソナという認識になります。
STP分析を用いたターゲットマーケティングの進め方
マーケティングの基本となるSTP分析を用いて、どのようにターゲットマーケティングを進めていけばいいのか、5つのステップに沿って紹介します。
進め方①市場を細分化する
最初に行うのが、セグメンテーション(市場の細分化)です。セグメンテーションとは、市場を特性ごとに分類していくことです。どの層に対して自社の商品やサービスをアプローチできるか見極める材料にします。セグメンテーションが曖昧では、マーケティング戦略がぶれてしまい効率的に販促活動を行えません。そこで、市場の動向を細かく分類して、自社の商品・サービスを利用してもらえそうな層を見つけ出していきます。市場を細分化して分類するときの条件には、代表的なものに次のような4種類が挙げられます。
- 人口統計学的変数
年齢、性別、職業、年収、最終学歴、既婚・未婚など - 地理的変数
居住地、会社の所在地、気候、文化など - 心理的変数
ライフスタイル、考え方、価値観、趣味趣向 - 行動的変数
商品の利用経験、購入経験、使用頻度、使用する時間帯、ロイヤリティの度合いなど
進め方②ターゲットを決める
最初のステップで市場を細分化したら、そこから、自社の商品・サービスの利用・購入を伸ばせる顧客層がどこか選定していきます。このときのターゲットの絞り方として、2つの手法を紹介します。
3C分析
ひとつは、「3C分析」と呼ばれる手法です。「Customer(市場・顧客の規模や成長性、収益性を見極める)」、「Competitor(競合の規模や数を把握し、自社にどのような優位性がある見極める)」「Company(自社の戦略やパワーについて見極める)」の3つの視点で、ターゲットを絞っていきます。
6R
もうひとつは、以下の「5Rの視点」での分析です。
- Realistic Scale:市場規模の成長性、利益が出る市場か
- Rate of Growth:市場の成長性、今後も成長する市場か、売上が伸びる市場か
- Rank & Ripple Effect:優先順位や波及効果、近接した市場にも売上が望めるかどうか
- Reach:到達の可能性、マーケティング施策の反応
- Rival:競合がいるか、どのような競合がいるか
Ripple Effect:ある出来事や行動が周囲に波及し、どのように広がっていくのか
進め方③ペルソナを設定する
ターゲットが決まったら、ペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、上述した通り、ターゲットの中にいる、より具体的な人物像のことです。ペルソナで具体的な人物像を設定すると、どのような顧客にアプローチしていくべきか方向性が明確になっていきます。ペルソナの例としては、例えば次のようなものです。
- 名前:〇〇花子
- 年齢:33歳
- 性別:女性
- 居住地:東京都の郊外(都心まで電車で1時間)
- 家族構成:夫(35歳)、長男(4歳)、長女(2歳)
- 仕事:家事と育児を中心に、週に3日間だけパートで働いている
- 趣味:料理づくりで、毎日夫と子どもの弁当をつくっている
このようなペルソナを設定すると、例えば「子育てで時間が限られているなか、時短で弁当のおかずになるメニュー」や「家の掃除を簡単にできるグッズ」など、顧客が抱える悩みやニーズがより明確になり、それに沿った商品の提案や販促がしやすくなります。
進め方④自社のポジショニングを決める
ここまでの情報が出そろったら、どの顧客層にどのように自社の商品・サービスを販売していくか、市場でのポジショニングを決める工程になります。このときに注意しておきたいのが、競合他社の存在です。例えば、洗濯機を販売するとき、競合他社の相場が5万円だったら、自社の商品にはどのような優位性や特徴があって、いくらで販売するか考えなければなりません。仮に3.5万円で売り出したら、価格面で大きな引きになりますが、もし3万円で売り出す海外ブランドが登場したら、価格面では優位性がなくなります。しかし、海外ブランドに比べると機能が高く、音が静かといった特徴があれば、依然として優位性があると市場で捉えてもらえる可能性もあります。
このように、競合他社との環境を考慮して、自社のポジショニングを考えていくことが大切です。また、ポジショニングを考える際は、価格と機能、デザインなどを軸としたポジショニングマップを作るのが大切になります。自社の立ち位置を把握することで、どのような販促計画を立てていけばいいか、ヒントを得られるでしょう。
進め方⑤マーケティング戦略を立てる
最後は、マーケティング戦略を立てていくプロセスです。ここでも様々な手法が用いられますが、例えば有名な「SWOT(スウォット分析)」を例に挙げてみましょう。これは、「Strength:強み(プラス要因・内部環境)」「Weakness:弱み(マイナス要因・内部環境)」「Opportunity:機会(プラス要因・外部環境)」「Threat:脅威(マイナス要因・外部環境)」の4つの項目で、まず自社の商品・サービスを取り巻く環境と現状を把握します。この分析をもとに、自社の強みの部分で、競合他社が行っていないアプローチを導き出します。またターゲットが日頃からどのような悩みを抱えているか、どのような商品があれば喜ぶかなど、顧客視点で考えることも大切です。
ターゲットマーケティングを成功させるためのポイント
ターゲットマーケティングを成功に導くためには、次のようなポイントを押さえましょう。
ポイント①「4P」を活用する
STP分析を行ったら、ぜひ「4P」と呼ばれる戦略に落とし込みましょう。4Pとは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通チャネル)」「Promotion(販促活動)」の4つのことで、STP分析でターゲットを絞り込んだ後に、具体的なマーケティング戦略を立てるときに使うフレームワークのひとつです。
このときに重要なのは、企業の利益ではなく、顧客への利益を重視することです。ターゲットにする顧客にとって、「価値があって、使い続けていきたい」と思うような商品・サービスでなければ、どんなにマーケティング活動を行っても、その効果はあまり得られないでしょう。企業側の視点に立つのではなく、常に顧客の視点に立って、どのようなマーケティング活動を行っていくべきか考えるようにすることがポイントです。
ポイント②市場動向を定期的に把握する
STP分析を行うのは、ターゲットマーケティングの最初のプロセスとご紹介しました。この分析は非常に大切な工程ですが、市場分析は一度行って終わりにしてはいけません。市場や顧客の動向は、人々の価値観やトレンドなどとあわせて、時代によって変化していくものです。そのため、定期的にSTP分析を行い、市場動向を把握していくことが重要です。
また、最新のトレンドや話題になっていることなどにも常にアンテナを張って把握しながら、どのように市場が変化しているのかチェックしましょう。市場の動きにあわせて、商品やサービスの提供方法などに工夫が必要になるかもしれません。その時々によって、どのような商品・サービスが求められるのか、考えていく必要があります。定期的な市場動向の把握は、ビジネスの戦略を中長期で立てていくときにも大いに役立つでしょう。
ポイント③さまざまなマーケティング手法を試す
実際のマーケティング活動には、テレビCM、ラジオCMから折りこみチラシ、DM、インターネット広告、SNS広告、ポイントカードの導入、店舗独自Payの導入、メールマガジンなど、実にさまざまな方法があります。また、かつては新聞、雑誌などの紙媒体の広告が主流でしたが、今ではインターネットが普及して、デジタルの広告がメインとなってくるなど、時代の変化によって、マーケティング手法と効果は変わってきています。そのため、マーケティングを行うときは、さまざまなマーケティング手法を試してみることをおすすめします。そして必ず効果を分析・検証して、効果が見られるものがあればそれに注力するようにしましょう。初めからマーケティング手法を限定せず、広い視野で試してみることが大切です。
ポイント④将来的な価値のある情報発信を行う
ターゲットマーケティングでは、商品やサービス、企業の将来的なビジョンを感じさせる情報発信を行うことも大切です。ただ「安い」「品質がいい」ということだけを訴求するのは、一昔前のマーケティングであり、価値観が多様化する現代では、そこに「他にはない体験」ができることを訴求するのがポイントです。「創業者はどのような思いを持って、そのブランドを作ったのか」「なぜその原料を選んだのか」といったストーリーや、その商品・サービスを利用することでどのような体験が得られるかというような情報発信によって、さらなる差別化につながっていくでしょう。
⑤魅力的なアイデアで変革(イノベーション)を起こす
マーケティングを成功させるためには、既存の市場にはない魅力的なアイデアを取り入れ、イノベーションを起こすことも極めて重要です。イノベーションは未だない価値を創出することを指し、市場が潜在的にもつニーズに対応することで、競合との圧倒的な差別化をはかります。
革新的な技術によってもたらされることはもちろん、既存のアイデアの組み合わせによってもイノベーションは誕生します。例えばスターバックスコーヒーはただ美味しいコーヒーを飲める場所ではなく、家庭と会社に次ぐ第三の場所というコンセプトを元にイノべーションを起こしました。多くの企業にとってイノベーションのチャンスがあるといえるでしょう。
ターゲットマーケティングの成功事例
ターゲットマーケティングを行って成功した具体的な事例を2つ紹介します。
事例①スターバックスコーヒー
日本のみならず世界各国に展開するスターバックスコーヒーは、ターゲットマーケティングが成功している事例のひとつです。日本でも各地に店舗を広げ、「おしゃれなカフェ」と認識され、幅広い層から支持を集めています。スターバックスコーヒーがターゲットとしたのは、所得が比較的高く都内で働いているビジネスマンです。ビジネスマンが利用するカフェといえば、格安で利用できる場所が大半でしたが、落ち着いてコーヒーを飲める店として、競合他店よりもやや高めの価格設定で差別化を図ったのです。実際に、スターバックスコーヒーでは、ノートパソコンを広げるビジネスマンも多く、出勤前や勤務の合間に利用する人が増えていきました。その影響で「クールなカフェ」というイメージが人々の間に定着して、ターゲットとは違う若い世代にもその人気が広がり、他店にはない魅力的な店として広く認知されています。
事例②QBハウス
ヘアカット専門店「QBハウス」も、ターゲットマーケティングを行って全国に店舗を増やしていった事例です。QBハウスは、シャンプー、カラーなどの美容室のメニューをヘアカットひとつに絞ったうえで、10分という短時間施術、1,200円という破格を設定しています。ターゲットとしているのは、「ヘアカットは短時間ですぐに終わらせたい」という人です。髪型にこだわって、美容師と相談しながら似合うヘアスタイルを見つけていくのではなく、ちょっとした隙間時間にスッキリとヘアカットできることが最大の魅力です。しかも、少なくとも数千円はかかるヘアカットの費用が、わずか1,200円で済むところも、競合他店との優位性を確立することに成功しています。ヘアスタイルにこだわる人は、初めからターゲットにはせず、そうではない人に絞ってビジネススタイルをつくりマーケティングを行っています。
ターゲットマーケティングに関する相談はバリューデザインの独自Pay
価値観もライフスタイルも多様化するなか、ターゲットマーケティングを考える企業が増えてきています。そのようなターゲットマーケティングを行うなら、ハウス電子マネーとして知られる独自Payを発行できる「Value Card」を導入してみてはいかがでしょうか。
「Value Card」は、独自Payと呼ばれる店舗独自の電子マネーを発行できる総合型キャッシュレス支援サービスです。レジ対応の時間を短縮できるうえ、顧客にポイントを付与することでロイヤルカスタマー育成につながります。設定したターゲットに集中的にアプローチすることで、効果的にマーケティングを進められるようになります。また、一般的なキャッシュレスサービスに比べて手数料が低いことに加え、プリペイド式なので店舗には現金で前受金が入ることからキャッシュフローが改善するなど、多くのメリットがあります。ターゲットマーケティングとあわせて、キャッシュレス化についても相談できます。
まとめ:ターゲットマーケティングはこれからの販促の基本
不特定多数を相手にしたマスマーケティングとは異なり、ターゲットマーケティングは狙うべき顧客層を絞り込み、その顧客層に働きかけるマーケティング手法です。さまざまなライフスタイルが存在し、価値観が多様化している現代社会では、マスマーケティングよりもターゲットマーケティングの方が、コストを抑えながら効率的にマーケティングができると言えます。また、ターゲットマーケティングを行うステップはマーケティングの基本を押さえたやり方です。
市場を細分化して現状を把握することは、どのような顧客層がいるのか、どのようなニーズがあるのか理解することになり、必ずマーケティング活動で大切な材料となります。STP分析を行いながら、顧客の視点に立ってどのような悩みを抱えているのか、どのようなニーズがあるのか考えることをいつも忘れず、販促計画を立てていきましょう。
以下より、無料で「Value Card」の詳しい資料をダウンロードいただけます。
ターゲットマーケティングやキャッシュレス化でお悩みの方は、ぜひ一度ご覧ください。