飲食店がリピーターを増やすには?10つの対策方法やリピーターの特徴を解説
飲食店の経営において、リピーターを増やすためにさまざまな工夫を凝らしている方も多いでしょう。しかし「具体的な集客アイデアが思いつかない」と頭を抱える方は少なくありません。本記事では、飲食店のリピーターを増やすための手法とポイントを解説します。
目次[非表示]
- 1.そもそもリピーターとはどういう顧客か?
- 2.飲食店におけるリピーター率と傾向
- 2.1. 飲食店のリピーターの傾向
- 2.2.リピート率の算出方法
- 3.飲食店でのリピーター獲得のメリット
- 3.1.売上アップにつながりやすい
- 3.2.集客にかけるコストを抑えられる
- 3.3.リピーターの口コミで新規顧客が獲得しやすい
- 3.4.LTVが増加しやすい
- 3.5.トレンドに左右されにくくなる
- 4.飲食店でリピーターを増やす方法
- 4.1.1. メニューのクオリティを上げる
- 4.2.2. 新作メニューを提供する
- 4.3.3. 居心地のよい環境にする
- 4.4.4. 顧客と積極的にコミュニケーションをとる
- 4.5.5. 積極的に情報発信する
- 4.6.6. クーポンや割引券を提供する
- 4.7.7. ポイントカードを作る
- 4.8.8. キャンペーンを企画する
- 4.9.9. 店舗のオペレーションを効率化させる
- 4.10.10. キャッシュレス化を進める
- 5.飲食店でリピーターの定着を狙うなら「独自Pay」
- 6.飲食店を繁盛させるためにリピーターを増やそう
そもそもリピーターとはどういう顧客か?
リピーターとは、一度利用したお店を繰り返し利用する顧客のことを指します。飲食店においては、一度訪れた店に満足し、気に入って、再度その店を選んで訪れる人をリピーターと呼びます。リピーターは、お店のファンとも呼べるため、お店のメニュー紹介や、最新情報を口コミやSNSで紹介してくれることもあります。自身が再訪するだけではなく、新たな顧客を連れてきてくれる役目もになってくれます。
このように、店舗の売上や安定した経営に重要な役割を果たすため、店舗はリピーターを増やすための施策を講じる必要があります。
なお、再来店するか否か、を決める判断材料としては、「料理の質」や「コストパフォーマンス」、「サービス」などの要素が挙げられることが多いと言えます。
飲食店におけるリピーター率と傾向
リクルートライフスタイルの調査によると、1週間の飲食店利用のうち、リピーター率は全体で77.5%に達しています。時間帯別では、「昼食」の時間帯が最もリピート利用率が高く81.2%という結果となっています。 性別・年代別で見ると、50代男性では82.9%、60代男性では87.3%とリピーター率が高い傾向にあります。一方、20・30代の女性では新規店利用が30%以上と高く、リピート利用は少なめです。
また、リピート利用率が高い業態としては、「ファストフード」(95.5%)、「牛丼、カ レーなど、一品もの専売業態」(93.7%)、「立ち食いのラーメン、うどん・そば業態」(93.1%)、「ファミリーレストラン、回転すしなど」(90.8%)で、いずれも90%超という結果が出たそうです。フランス料理や、エスニックなど、比較的好みが分かれやすい業態はリピート率が低い結果となっています。
参考:株式会社リクルートスタイル「飲食店リピート実態&要因調査」
飲食店のリピーターの傾向
飲食店におけるリピーターの傾向は、年齢や性別によって異なります。男性は年代が上がるにつれてリピーター率が高くなり、50代で82.9%、60代では87.3%と高い傾向にあります。女性は新しい店舗を試す傾向が強く、特に20・30代女性では30%以上が新規店を利用します。
リピーターが重視する要因としては、「料理・メニュー」が最も重要視され、次いで「コストパフォーマンス」が挙げられます。また、女性にとっては「店内の清潔さ」や「利便性」も重要な要素となっており、リピート利用の決め手となっているようです。
店舗で狙う客層に応じて、注視するバランスを変えて、対策を練ると良いでしょう。
リピート率の算出方法
「リピート率」は、店を訪れた新規客のうち再来店した顧客がどのくらいか、というリピート客の割合を示すものです。
計算方法は、次の通りです。
リピート率(%)=2回目以降の来店客数÷初回来店客数(累計)×100
例えば、開店から新規顧客が100人訪れたとして、そのうちの15人が再来店した場合、15÷100で、リピート率は15%ということができます。
飲食店でのリピーター獲得のメリット
飲食店の売上を安定させるためには、新規顧客のみならずリピーターの獲得も重要です。リピーターを獲得することで、具体的にどのようなメリットが得られるのか1つずつ見ていきましょう。
売上アップにつながりやすい
飲食店でリピーターを集める理由の1つは、売上アップにつながりやすいところです。多くの新規顧客を呼び込むことでも十分な利益を獲得できますが、リピーターは定期的に来店してくれるため、長期的な売上確保につながりやすくなります。
ビジネス論で有名な「パレートの法則」では、売上の8割はリピーターがまかなっているともいわれているので、リピーターの存在は今後の店舗の存続には欠かせません。
集客にかけるコストを抑えられる
リピーターを獲得するメリットは、集客にかけるコストを抑えられるところです。新規顧客を集める際、チラシや広告、看板の作成など、集客にはコストがかかります。
実際にマーケティング業界で有名な「1:5の法則」では、新規顧客の獲得には既存顧客と比べて5倍のコストがかかるといわれており、顧客が集まらなければ赤字に陥る可能性が高くなるでしょう。
集客コストを抑えるためには、売上の8割を担っているリピーターの存在が必須です。少しでもリピーターの人数が増加すれば、集客コストを抑えられるようになります。
リピーターの口コミで新規顧客が獲得しやすい
リピーターを増やすメリットは、口コミによって新規顧客の獲得につながりやすくなるところです。飲食店のオリジナルメニューを気に入ってもらったり、接客に対して好印象をもってもらったりすれば、口コミで評判を拡散してくれるかもしれません。
とくにX(旧Twitter)や、InstagramなどのSNSであれば、さらなる新規顧客の獲得に期待ができるでしょう。
LTVが増加しやすい
LTVとは、リピーターが長期間にわたってお店にどれくらいの利益をもたらしてくれるかの指標のことです。リピーターが長年店舗に通い続けてくれることで、LTVが増加しやすくなります。
リピーターの人数が増えれば増えるほど、LTVも増加しやすくなるでしょう。
トレンドに左右されにくくなる
リピーターがいるメリットは、トレンドに左右されにくいことです。SNSやメディアなどで一時話題に上がれば、より多くの顧客を獲得しやすくなります。しかしトレンドは常に変化するので、店舗の話題が衰退することは避けられません。新規顧客ばかりに頼っていた飲食店の場合は、一気に売上が下降するようになるでしょう。
しかし十分なリピーターが獲得できれば、トレンドに影響されにくいです。
飲食店でリピーターを増やす方法
飲食店で安定的な経営を実現させるためには、リピーター獲得が必須です。しかし具体的にどのような方法がベストなのか迷う場合もあるでしょう。ここからは、飲食店でリピーターを増やす方法を紹介します。
1. メニューのクオリティを上げる
リピーターを獲得するためには、まずは料理の質を上げなければなりません。どんなに積極的に飲食店をPRしたとしても、料理の味が悪ければ一度きりのサービスで終わってしまいます。また料理の味が悪いことをSNSで拡散されてしまうと、新規顧客の獲得すら難しくなるでしょう。
もう1回来店してもらいたいと思えるようにするためには、料理の質は重要です。試行錯誤を重ねて、顧客においしいと思ってもらえる料理を提供しましょう。
2. 新作メニューを提供する
おなじみの料理を提供するのも良いですが、新作メニューの開発はリピーター獲得には欠かせません。同じメニューを出し続けてしまうと、飽きてしまう顧客もいます。
定期的に来店してもらうためには、新鮮味溢れる料理提供が必要です。定期的に新作メニューを開発し、来店するきっかけを作りましょう。もしメニューを増やすのが難しい事情がある場合は、期間限定での提供ができないか検討してみましょう。
3. 居心地のよい環境にする
リピーター獲得には居心地のよさも重要です。どんなに魅力的なメニューが提供されたとしても、店内が散らかっていたり汚れていたりすると、料理をおいしくないと感じるかもしれません。また、スタッフの人数が適正でなかったりすると、居心地の悪さにつながってしまいます。
店内の座席を整えたり、掃除をしたりするなど、顧客が常に居心地のよさを実感できるように店舗の環境を整えましょう。
4. 顧客と積極的にコミュニケーションをとる
飲食店でリピーターを増やすためには、顧客とのコミュニケーションが重要です。不愛想に対応してしまったり、必要最低限のコミュニケーションしかとらなかったりすると、離れてしまう顧客もいます。
「また来たい」と思ってもらうためにも、基本的な挨拶や声かけは積極的にするようにしましょう。いきなりフランクに接するのが難しい場合は、おすすめのメニューを紹介したり、試食サービスを提供したりして距離を縮めるのがおすすめです。
5. 積極的に情報発信する
リピーター獲得には、積極的に情報発信することが欠かせません。何も情報発信をしなければ、新規顧客はおろか、リピーターの獲得すらも難しくなってしまいます。
情報発信のツールとしては、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSがおすすめです。SNSを通して新メニューやキャンペーンのお知らせを発信することで、次回来店のきっかけにつながりやすくなります。
さらに顧客1人に対してアプローチを図りたい場合は、LINE公式アカウントがおすすめです。LINE公式アカウントは企業と顧客が直接つながれるツールで、ダイレクトに情報発信ができます。
情報発信はもちろんのこと予約やクーポンの配布なども可能です。
6. クーポンや割引券を提供する
リピーター獲得にはクーポン券や割引券などの配布が効果的です。「お得に飲食店を利用したい」というニーズは多いので、クーポン券や割引券などを配布すれば次回利用のきっかけになりやすいでしょう。
ただしクーポン券や割引券などを配布する際は、顧客にお得と思わせることが重要です。顧客のニーズとはズレたクーポンを配布してしまうと利用を控えてしまいます。来店につなげるためにも、顧客がどのようなサービスを求めているのか把握した上でクーポン券や割引券を提供しましょう。
7. ポイントカードを作る
ポイントカードの提供もリピーター獲得におすすめです。例えば「ポイントが貯まればビール1杯無料」というように特典を設けることで、次回来店のきっかけにつながりやすくなります。スタンプが溜まっていけば、ポイントを集めるモチベーションも上がるでしょう。
幅広い層にポイントカードを利用してもらいたい場合は、紙のみならずスマホを活用した電子スタンプもおすすめです。
8. キャンペーンを企画する
リピーター獲得にはキャンペーン企画の開催もおすすめです。季節限定のメニューやキャラクターとのコラボメニューを提供することで、来店してくれる可能性が高くなります。
さらなる来店率アップを狙いたい場合は、「期間限定」と銘打つのがおすすめ。期間限定にすることで、「今しか食べられない」と顧客は希少性の価値を見出しやすくなります。期間限定のキャンペーンを企画して、来店するきっかけを作りましょう。
9. 店舗のオペレーションを効率化させる
リピーターの獲得には業務効率化が欠かせません。注文から料理提供までに時間がかかってしまったり、混雑時に席の案内が遅かったりすると、顧客は次回利用を避けるようになってしまいます。より多くの顧客に次回も来店してもらうために、業務を効率化させスピーディーにサービス提供ができるようにしましょう。
業務効率化をスムーズに実施したい場合は、ECRSの原則がおすすめです。ECRSの原則とは、「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(順序入れ替え)」「Simplify(簡素化)」の頭文字を取った原則のことで、店舗の業務効率化に活用されています。
ECRSの原則の特徴については、以下にまとめたので参考にしてみてください。
Eliminate(排除) |
無駄な業務の排除 |
Combine(統合) |
業務同士の統合 |
Rearrange(順序入れ替え) |
業務の順番の入れ替え |
Simplify(簡素化) |
業務内容の簡素化 |
10. キャッシュレス化を進める
リピーターの獲得には、利便性の向上も欠かせません。その一つとしてキャッシュレス決済への対応も検討しておくと良いでしょう。キャッシュレス化が進む中で、決済手段が現金のみだと不便さを感じてしまう顧客もでてくるでしょう。
幅広い顧客に飲食店を利用してもらうためにも、クレジットカードや電子決済、プリペイドカード決済などさまざまな決済方法を充実させておくのもおすすめです。
飲食店でリピーターの定着を狙うなら「独自Pay」
「独自Pay」は、バリューデザインが提供する総合型キャッシュレス支援サービスです。飲食店やコンビニ、スーパーなどさまざまな業界に対応することができ、顧客は会員になることでレジでの会計処理がスムーズになります。
またプリペイドカード型サービスでもあるため、再来店の促進にもつながります。
さらに会員ランク制度などのマーケティング機能も設けられています。一度呼び込んだ顧客を手放さずに顧客単価アップやロイヤルカスタマー化を図れます。
実際に飲食店でどう活用され、どういった効果が出ているのか興味のある方は、まずはお問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
飲食店を繁盛させるためにリピーターを増やそう
本記事では、飲食店でリピーターを増やすための手法とポイントを解説しました。飲食店でリピーターを増やすためには、顧客に次も利用したいと思ってもらうことが重要です。紹介したアイデアの中で活用できそうなものがあれば、ぜひ試してみてください。